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2.1 相似変換

固有値問題でもっとも基本的な方法は相似変換である。これは行列 $ A$ を正則行列 $ P$ によって、$ P^{-1}A P$ に変換することを意味する。

\begin{jtheorem}
相似変換により固有値は不変である。
\end{jtheorem}

に注意しよう。$ A$ が実対称な場合には $ P$ として実直交行列が使われる。 この場合 $ P^{-1}={}^t P$ であり、計算が簡単になることの他に、様々な利点 がある。

実対称行列の、実直交行列による相似変換は実対称行列である:

$\displaystyle (P^T A P)^T=P^T A^T (P^T)^T=P^T A P.
$

実直交行列による変換として、次の三つが重要である。

(1)
Givens 変換 -- 2 次元平面における回転
(2)
鏡映変換 (Householder 変換) -- 超平面に関する対称移動
(3)
QR 変換


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桂田 祐史
2015-12-22