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B..1.0.1 (1) の証明

$ I_j$ 内のある部分区間 $ J$ において、すべての多項式 $ f_k(x)\ne
0$ とすると、$ f_k(x)$ の符号は $ J$ で一定であるので (中間値の定理から、 符号が変化するには 0 にならないといけない)、$ N(x)$ の値は変化しないこ とが分かる。

そこで、ある多項式 $ f_k(x)$ の解 $ x_\ast\in I_j$ を通過した場合を考える。 Strum 列の条件から $ k\ne \ell$ , $ I_j$ の取り方から $ k\ne 0$ であるから、 $ 1\le k\le \ell-1$ である。Strum 列の条件 (2) から $ f_{k-1}(x_\ast)
f_{k+1}(x_\ast)<0$ であるが、連続性から $ x_\ast$ の十分小さな近傍 $ V$ を 取れば、そこで $ f_{k-1}(x)$ $ f_{k+1}(x)$ は定符号となり、 $ V$ 上で $ f_{k-1}(x)f_{k+1}(x)<0$ がなりたつ。 それゆえ、列

$\displaystyle f_{0}(x),f_1(x),\cdots,f_{k-1}(x),f_{k}(x),
f_{k+1}(x),\cdots,f_{\ell}(x)
$

の部分列

$\displaystyle f_{k-1}(x), f_{k}(x), f_{k+1}(x)
$

の符号については次の二つのいずれか一方だけしか起こらない。
(a)
$ f_{k-1}(x)$ $ f_{k}(x)$ $ f_{k+1}(x)$
$ V$ $ -$   $ V$ $ +$
    (b)
$ f_{k-1}(x)$ $ f_{k}(x)$ $ f_{k+1}(x)$
$ V$ $ +$   $ V$ $ -$
それゆえ、($ f_k(x)$ の符号が何であっても) 任意の $ x\in V$ について、部分列 $ f_{k-1}(x)$ , $ f_{k}(x)$ , $ f_{k+1}(x)$ における符号の変化は $ 1$ として $ N(x)$ の値に算入される。 これから $ x_\ast$ の十分小さな近傍で $ N(x)$ の値に 変化はないことが分かる。 ゆえに $ N(x)$ $ I_j$ 上で定数である。


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桂田 祐史
2015-12-22