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1.1.0.1 一般化固有値問題

行列 $ A$ , $ B$ が与えられた時、方程式

$\displaystyle A x = \lambda B x, \quad x\ne 0
$

を満たすスカラー $ \lambda$ , ベクトル $ x$ を求める問題を一般化固有値問 題という。これは $ 2$ 次形式の固有値問題などに関係して現れる。$ B=I$ (単位行列) の場合は通常の固有値問題になる。 応用上は $ B$ は多くの場合、正定値対称行列になる。 $ B$ が正則である場合、上の方程式に $ B^{-1}$ をかけて $ A'=B^{-1}A$ とおくと

$\displaystyle A' x = \lambda x, \quad x \ne 0
$

となって、形式的には通常の固有値問題に帰着するが、 このやり方は大抵の場合、 得策ではない ($ A$ , $ B$ が対称であっても、 $ A'$ が対称であるとは限らなくなるなどの理由がある)。 簡単なことは次の文書に書いておいた。
『一般化固有値問題メモ』
http://nalab.mind.meiji.ac.jp/~mk/labo/text/generalized-eigenvalue-problem.pdf


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桂田 祐史
2015-12-22