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ここでは
の最小多項式の問題には触れないことにする。
最初に選んだ
に対して
と仮定する。
とおくと、
である。
のことを単に
と書くことにする。
明らかに
は
不変、すなわち
をみたすが、
の直交補空間
も
不変である。実際
とするとき、
任意の
に対して、
がなりたつので
となり、
が
不変であることが分かる。
老婆心:
とするとき、
任意の
に対して
であるから、
.
そこで最初に選んだ
に対して、
であった場合は、
まず
の正規直交基底を取り、
その後で
,
から始めて、
の正規直交基底を取り、
以下この操作を続けていけば、最後には
とできる。
それと並行して、
の正規直交基底
(
) が得られる。
この正規直交基底を
と並べたものを
として、
とおくと、
こうして得られた
は確かに三重対角行列である。
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桂田 祐史
2015-12-22