A..2.3 解の基本系

$ \nu\in\C\setminus\Z$ であるとき、 $ J_{\nu}(x)$ , $ J_{-\nu}(x)$ は1次独立である (したがって (3) の解の基本系になる)。 これは両者の級数表示を見て、 $ x\to 0$ のときの増大度を考えても容易に証明できるが、 次の補題からも分かる。

\begin{jlemma}
任意の $\nu\in\C\setminus\Z$ に対して
\begin{displaymath...
...vert
\begin{array}{cc}
f & g \\
f' & g'
\end{array}\right\vert$.
\end{jlemma}

証明. (省略) $ \qedsymbol$ $ \qedsymbol$


\begin{yodan}
この補題から、$\nu\in\C\setminus\Z$ のとき、
$J_\nu(x)...
...とをあえて命題にまとめておくことはしない。
\qed
\end{yodan}

ロンスキアンの等式から想像できることだが、 $ \nu=n\in\Z$ のとき $ J_\nu(x)$ , $ J_{-\nu}(x)$ は1次従属になる。 これは容易に確かめられる関係

$\displaystyle J_{-n}(z)=(-1)^n J_n(z)
$

から明らかである。

さて、 いよいよ第二種ベッセル関数 (ノイマン関数ともいう) $ Y_\nu
(x)$ を導入しよう。

まず $ \nu\in\C\setminus\Z$ の場合に

$\displaystyle Y_\nu(x):=
\frac{\cos\nu\pi J_\nu(x)-J_{-\nu}(x)}{\sin\nu\pi}
$

とおく。 これは $ J_\nu(x)$ , $ J_{-\nu}(x)$ の線型結合であるから、 (3) の解である。 また補題 A.2 より容易に

(5) $\displaystyle W(J_{\nu}(x),Y_{\nu}(x))=\frac{2}{\pi x}$   $\displaystyle \mbox{($\nu\in\C\setminus\Z$)}$

が分かるので、$ J_\nu(x)$ , $ Y_\nu
(x)$ は (3) の解の基本系である。

さらに $ n\in\Z$ に対して広義一様収束極限

$\displaystyle \lim_{\nu\to n}Y_\nu(x)
$

が存在する。そこで

$\displaystyle Y_n(x):=\lim_{\nu\to n}Y_\nu(x)
$

とおくと、 これも (3) の解であるが、 (5) より8

$\displaystyle W(J_{n}(x),Y_{n}(x))
=\lim_{\nu\to n} W(J_{\nu}(x),Y_{\nu}(x))
=\frac{2}{\pi x}\ne 0
$

であるから、 $ J_n(x)$ , $ Y_n(x)$ は ($ \nu=n$ のときの) (3) の解の基本系である。

以上をまとめると次の定理が得られる。

\begin{jtheorem}
% latex2html id marker 298 [Bessel の微分方程式の解の...
...q:ベッセルの微分方程式}) の解の基本系である。
\end{jtheorem}

桂田 祐史
2017-11-20