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B.4 Euler 法

微分係数の定義より、$ h$ が十分小さければ

$\displaystyle \frac{\D x}{\D t}(t_j)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \lim_{\eps\to0}\frac{x(t_j+e)-x(t_j)}{\eps}$  
  $\displaystyle \kinji$ $\displaystyle \frac{x(t_j+h)-x(t_j)}{h}$  

と考えることが出来る。

そこで

$\displaystyle \frac{\D x}{\D t}(t_j)=f(t_j, x(t_j))
$

から $ \{x_j\}$ に関する方程式

$\displaystyle \boxed{\frac{x_{j+1}-x_j}{h}=f(t_j,x_j)}$ (B.4)

を得る (正確にはこの方程式の解として $ \{x_j\}$ を定義する、わけである)。

(B.4) を整理して、

$\displaystyle x_{j+1}=x_j+h f(t_j,x_j)$ (B.5)

なる「隣接二項」の漸化式を得る。$ x_0$ は分かっているわけだから、 これから $ x_1$, $ x_2$, $ \cdots$, $ x_N$ を順番に計算できる。

以上が Euler 法である。Euler 法は素朴であるが、次の意味で 「うまく働く」。

$ f$ に Lipschitz 連続程度の滑らかさがあれば、
$ (t_j,x_j)$ を結んで出来る折れ線をグラフとする関数は、
$ N\to\infty$ とするとき、真の解に収束する。

しかし、実は Euler 法はあまり効率的ではないため、実際に使われること はまれである。


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Masashi Katsurada
平成18年4月28日