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B.2 目的とする問題

常微分方程式の初期値問題

$\displaystyle \Dfrac{\D x}{\D t}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle f(t,x)$ (B.1)
$\displaystyle x(a)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x_0$ (B.2)

を考える。つまり $ f$, $ a$, $ x_0$ が与えられたとき、 (B.1), (B.2) を満たす 未知関数関数 $ x=x(t)$ を求める、ということである。

詳しく言うと、

  • $ f$$ \R^{n+1}$ のある開集合 $ \Omega$ 上定義され、 $ \R^n$ に値を取る関数である: $ f\colon\Omega\to\R^n$
  • $ x_0\in\R^n$
  • $ (a,x_0)\in \Omega$

この問題に対して、解の存在一意性などの基本的なこ とは十分に分かっていると言って良い (これについては、大抵の常微分方程式 の数学科向けのテキストに解説がある)。

一方、この問題は、特別な $ f$ に対してしか、具体的に解けないことが良 く知られている。例えば三体問題は歴史上重要なものとして精力的 に研究されたが、結局求積法では解けないことが証明された。

そこで、数値解法の出番となる。


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Masashi Katsurada
平成18年4月28日