D.9 書式付き出力

数表のような形式でデータを出力するのに、 C では printf() で様々な書式指定をする。 もちろん C++ は C のスーパーセットなので、 printf() を使うことも可能だが、 cout ストリームと併用するのは気持ちが悪い。 以下にどうすれば良いか説明するが、あまりすっきりしない。 多くの人が C++ でも printf() を使い続けているようだが、 この辺に理由があるのかもしれない。

• 実は cout はメンバー関数として form() というのを持っていて、 これは printf() 相当のことが出来る。

    cout.form("N=%d, t=%g, error=%e\n", N, t, error);
  

• 直後の表示について、表示幅を指定するには cout.width(整数); とす る。

    printf("N=%2d, m=%3d\n", N, m);
  

  
  相当のことを実現するには、

    cout << "N=";
    cout.width(2);
    cout << N << ", m=";
    cout.width(3);
    cout << m << endl;
  

  
  とするわけである (うぇっ)。あるいは

  #include <iomanip.h>
  ...
    cout << setw(2) << N << ", m=" << setw(3) << m << endl;
  

  
  とする (これならまあまあ^D.3)。
• 浮動小数点数の表示については、
  • cout はデフォールトでは C の %g 相当の動作をする。
  • 固定小数点数表示 (? -- %f 相当の動作) をさせたかったら、

       cout.setf(ios::fixed, ios::floatfield);
    

    
    あるいは

    #include <iomanip.h>
    ...
       cout << setiosflags(fixed)
    

    
    とする。 元に戻すには

       cout.unsetf(ios::fixed, ios::floatfield);
    

    
    あるいは

    #include <iomanip.h>
    ...
      cout << resetiosflags(fixed)
    

    
    とする。
  • 指数形式表示 (%e 相当の動作) をさせたかったら、

       cout.setf(ios::scientific, ios::floatfield);
    

    
    あるいは

    #include <iomanip.h>
    ...
      cout << setiosflags(scientific)
    

    
    とする。もちろん戻すのは

       cout.unsetf(ios::scientific, ios::floatfield);
    

    
    あるいは

    #include <iomanip.h>
    ...
      cout << resetiosflags(scientific)
    

    
    とする。
  • 表示桁数を指定するには

       cout.precision(整数式);
    

    
    あるいは

    #include <iomanip.h>
    ....
       cout << setprecision(整数式)
    

    
    とする (小数点以下の桁数の指定になる)。

format-sample.C

#include <iostream.h>
#include <iomanip.h>

int main()
{
  int N;
  double x, y, z;
  N = 8;
  x = 1.234567890123;
  y = 123.4567890123;
  z = 123.4567890123;
  cout.form("N=%2d, x=%g, y=%22.15f, z=%e\n", N, x, y, z);
  cout << "N=" << setw(2) << N << ", x=" << x << ", y="
       << setiosflags(ios::fixed) << setw(22) << setprecision(15) << y
       << resetiosflags(ios::fixed) << setprecision(6)
       << ", z=" << setiosflags(ios::scientific) << z
       << endl;
  return 0;
}

実行結果

yurichan% program-cpp/format-sample
N= 8, x=1.23457, y=   123.456789012300007, z=1.234568e+02
N= 8, x=1.23457, y=   123.456789012300007, z=1.234568e+02
yurichan%