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D.1.0.0.1 注意 1

この問題は、計算機を使わなくても線形代数を用いて解くことが出来ます。既 にどこかで習っているかもしれませんし、そうでない場合も三年次の常微分方 程式の講義で学ぶことになるでしょう。(このプリントの末尾に計算の仕方だ け説明しておきます。)

後で数学的な説明をするときのために、問題をベクトル、行列を用いて書き 換えましょう。

$\displaystyle \vec x(t)=\Twovector{x(t)}{y(t)}, \quad
A=\left(
\begin{array}{cc}
a&b\\
c&d
\end{array}\right)
\vec x_0=\Twovector{x_0}{y_0}
$

とおくとD.1 $ \vec x=\vec x(t)$ は未知の $ 2$ 次元ベクトル値関数、 $ A$$ 2$次の実正方行列、$ \vec x_0$$ \R^2$ の要素となり、問題は

$\displaystyle \frac{d\vec x}{dt}=A\vec x
\leqno{(1)}
$

$\displaystyle \vec x(0)=\vec x_0
\leqno (2)
$

と書き直されます。 このような問題を定数係数線形常微分方程式の初期値問題とよびます。

初期値問題 (1), (2) の解は平面内での点の運動を表わしていると考えるこ とが出来ます。初期値 $ \vec x_0$ を色々と変えて、それに対応する解 $ \vec
x(t)$ の軌跡(解軌道と呼びます)を描いてみましょう。この解軌道を考える時 の空間(ここでは平面 $ \R^2$)を相空間(phase space)D.2と呼びます。

$ f(t,\vec x)=A x$ とおくと、方程式 (1) は

$\displaystyle \frac{d\vec x}{d t}=f(t,\vec x)
$

となって、前回の方程式と同じ形になります。前回紹介した Euler 法、 Runge-Kutta 法などの数値解法は(実数だったところが、ベクトルになるだ けで)まったく同様に適用することが出来ます。


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Masashi Katsurada
平成18年4月28日