B. PostScript への変換 (g_out に関するノウハウ)

(3 「印刷の仕方 (g_out の使い方)」を読むことをお勧めします。)

関数 g_init() の第一引数で指定した「メタファイル」には、描画し た図形データの内容が記録されていて、コマンド g_out により、 PostScript 形式に変換できる。

-v を指定するとポートレイト形式になる。 ただし PostScript に変換後の座標が負になったりするので、 使わないほうが無難かもしれない (ps2epsi に失敗するようになる原因となる?PDF にすると図が欠ける?)。 TEX\includegraphics を用いて取り込む場合には、
  \includegraphics[width=10cm,angle=90]{mygraph.i00}
のように angle=角度 オプションで回転できるので、 あえて中途半端な -v オプションに頼る必要はないかもしれない (私は最近は使わなくなりました)。

出来上がった PostScript ファイルの BoundingBox コメントは、 “A4 紙1枚全部” というものらしく、 LATEXに取り込むには余白が生じるのが普通で不適当なので、 ps2epsi コマンドで直すか、 ghostview などで表示させて測った値をテキスト・エディターで書き込むのがよい。

特に -i オプションを指定すると、 Adobe のイラストレーター形式でセーブされるという。 これも一種の PostScript であることに違いはないが、 カラーで描いた図がモノクロのデータに変換されることがないので、 色つきの画像データを作るときに使える。 また、複数ページからなるメタファイルが、 1ページ毎のばらばらのファイルに変換されることも、 場合によっては便利である。

線の太さや文字の大きさなどの情報は、 PostScript に変換すると消えてしまうが、 例えば使用している文字をすべて大きくして構わないのならば、 直接 PostScript ファイルを編集して直すことが比較的容易である。

熱方程式や波動方程式のような発展系の数値計算結果を可視化した場合、一 つのメタファイルに複数の図が記録される。このとき、一枚の紙に複数の図を 連ねて表示する「紙芝居」を作るには、 -f 行の数,列の数-m 倍率 というオプションを使うとよい。例えば
  g_out -vfm 4,3 0.4 Meta

とすると、1 ページあたり 4 段(行?) 3 列、全部で 12 の図が入った PostScript ファイルが出来る。



桂田 祐史