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1 1.1 担当の人へ

3次方程式を解くプログラム、 あるいは2次方程式でも複素係数のものを解くプログラムをきちんと 書くことは良い目標であると思います。

3次方程式の問題は、 数学者が複素数を受け入れるようになった大きなきっかけなので、 突き詰めて考える価値のあるものだと信じます。 教員になろうという人は、

数学者はどうして虚数なんてありもしない数を考えるのか?
という初心者の素朴な疑問に誠実に答え切ることができるかどうか、 自問してみると良いと思います。 これは結構深い問題です (物理屋さんだとそのために量子力学を持ち出したりする人もいます… それが絶対必要だとは僕は考えていませんが。 ともあれ僕も完全に人を納得させる説明ができる自信はありません)。


1.1 の最後のあたりで、 冪乗和 $ 1^k+2^k+\cdots+n^k$ の公式が登場しますが、 これも数学好きの人には結構人気のある題材で、 歴史的にも和算家の関孝和とヤコブ・ベルヌーイの知られざる1競争の 一コマとして面白いところです。


関連する話題である II.10 のオイラー・マクローリンの公式は、 数学的にも深く、卒研レポートのテーマとしてふさわしいものだと思います。


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Masashi Katsurada
平成17年7月20日