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常微分方程式の講義で、
2階の線型常微分方程式
の解空間は 次元の線型空間であるという定理を学んだかもしれないが、
そこでは係数 , は普通の意味で素直な関数となっていたと思われる。
我々が扱っている Bessel の微分方程式は 0 が係数の特異点になっているので、
上の定理をそのまま使って一丁あがり、というわけにはいかない。
きちんと議論するには、
まず特異点 0 を除いた区間 (
) に制限して考える。
ここでは上の定理が使えて解空間は次元の線型空間であり、
関数の組
が存在して、
任意の解 に対して、, が一意的に存在して
(4) |
|
が成り立つ。
, は
まで正則に拡張できる。
これも証明を要することではあるが、
それほど難しいことではない
(線形だから解は定義域の端まで延長できる) し、
我々の場合の , はそのことを
直接確認することもできるので、省略する。
さて、こうして拡張した
,
は微分方程式の解になる
(一致の定理による)。
微分方程式は線形同次であるから、
その線型結合 もやはり微分方程式の解になる。
逆に で微分方程式をみたす があったとき、
それを に制限すると、
すでに述べたことから、適当な
, が存在して
(4) が成り立つ。
ここで関数関係の延長原理 (これも一致の定理による) を用いると、
全体で (4) が成り立つことが分かる。
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Masashi Katsurada
平成18年11月21日