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A..1.3 ご対面の後に (すぐ分かること)
まず
の定義式からすぐに分かることを調べてみよう。
ここに書いてあることを理解するには複素関数論の
(ごくごく初歩的な) 知識があればよい5。
(1) の
の部分は
いわゆる
のベキ級数であり、その収束半径は
(後で示すように)
であるから、複素平面
全体で正則な関数
(整関数と呼ぶのであった) を与える。
例えば導関数を求めたい場合は、単に項別微分すればよい。
ところが、
一見簡単そうに見える
の部分が要注意である。
が 0 以上の整数でないとき、この式は
のように解釈すべきものであり、
これは一般には整関数にはならないことを覚えているであろうか?
複素関数論の授業では、
や、
という関数について学んだはずである。
としていわゆる主値を取ると、
から負軸を除いた領域6
で一価正則な関数を得ることができる。
特に
のとき、
任意の
に対して
となる。
また
ならば
にも普通に意味がつけられる:
この Bessel 関数をどのように導入し、
その性質を調べて行くかについては、
実は色々な流儀があるが、
この文書では、
(桂田研学生にとっての) 後の応用を考慮して、
微分方程式を基礎として話を進めることにする。
| 身もふたもないまとめ |
任意の に対して、
は (負軸を除いた領域)
で正則である。
特に が 0 以上の整数であるときは、
は 全体で正則である。
|
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Masashi Katsurada
平成18年11月21日