田所君はサッカーが趣味で、変化球のシミュレーションの話を振ったら、 興味を持ったので、 以前から注目していた野地 [13] を読むことをすすめた。 [13] では、野球のカーブが念頭にあったようだが、 田所君はサッカーボールのシュートのシミュレーションを目標においた。 [13] のトレースを続けていく途中でタイムアップとなった。
実は [13] において、 実際の野球に相当する条件での計算は出来ていない。 田所君の数値計算も、実際のサッカーボールのシュートに相当する条件での 計算は実現できていない (Reynolds数が大き過ぎる)。 リアルな問題を扱うのは大変である。 その点を打破するには、 安定して計算するための工夫を導入する必要があると思われる。 挑戦者が現れることを望む。
この研究の過程で、以下のことを学んだ。
ボールの直径は
,
大人のシュートスピードは
,
回転の速さは毎秒
回転という数値を採用した。
無次元化するため、代表的な長さ
として
,
代表的速さとして
を採用した。
Reynolds数は
以下では無次元化した方程式のみを示す。
実際には、ボールが移動するので、流体の占める領域は時間変化するが、 それでは計算が面倒なので、ボールの位置を原点に取る座標系を採用する。 それは慣性系なので見かけの力は現れない。
また、有限要素法では無限領域を扱うことは難しいので、 ボールから十分離れたところに仮想的な境界を設け、 それに囲まれた有界な領域で計算を行う。
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(
から空気が流入する。
から流出する。)
流速
,
圧力
を求める。
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(5) は通常「応力境界条件」と呼ばれる。
であるから、成分表示すると
整理すると
(
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(6) は通常「すべり境界条件」と呼ばれる。
,
であるから、成分表示すると
整理すると
(
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(書きかけ)
桂田 祐史