8.3.2 グラフィックスの関数の引数、特にオプション

グラフィックスの関数が、引数として取るものは、順に

(1)
関数あるいは関数のリスト or 数値データによるリスト
(2)
描画する範囲
(3)
描画を制御するオプション
このうちオプションはその名前の通り省略可能である。

(オプションとは?実際にどうやって描画するかについて、自由度があり、 それを一々指定するのはとても面倒なので、普段はそれを適当に決めているが、 そのデフォールト値で満足できない場合に、ユーザーが自分の求めるものを指 定することが出来るようにしたもの。)

関数がどういうオプションを持つかは “??関数名” で調べられる。例えば、 関数 Plot[] のオプションを調べたければ、次のようにすればよい。
Plot[] のオプションは?
    ??Plot

オプションの指定の仕方は、”オプション名 -> 値” である。 例えば

    AspectRatio -> 数値             縦横比。デフォールト値は 1/GoldenRatio
                                    Automatic とすると縦横の縮尺を揃える。
    Axes -> 真偽値                  軸を描くかどうか
    AxesLabel -> {"x", "y=f(x)"}
    BoxRatios -> {X,Y,Z}            Automatic とすると3Dグラフィックスに
				    おける実際の座標の値に対応するボック
				    スの長さの辺の比
    PlotLabel -> "Graph of f"
    AxesOrigin -> {0,0}             座標軸の交点は (0,0)
    Compiled -> False               デフォールト値は True
    Frame -> True                   枠を描くかどうか (デフォールト値は False)
    GridLines -> Automatic
    PlotRange -> {zmin,zmax}        All というのもある
    PlotPoints->100                 使用するサンプル点の個数 (多いと忠実)
    PlotStyle->Thick                太い線で
    PlotStyle->Red                  赤い線で
    PlotStyle->{Thick,Red}          太い赤い線で
    PlotStyle->Thickness[0.005]     太さを数値で指定

(アスペクト比 (AspectRatio) は縦横比 ( $ =$$ \div$) である。 また黄金比 (golden ratio) は $ \dfrac{1+\sqrt{5}}{2}=1.61\cdots$ である。 AspectRatio -> Automatic は、 縦軸と横軸の縮尺が同じになるようにアスペクト比を調節する。

しばらくの間、 オプションを変更したまま使いたい場合は、SetOptions[] を使う。 次の例では、 関数 Plot3D を使用する時に、 PlotPoints100 にするよう設定している。
    SetOptions[Plot3D, PlotPoints->100]

新しい Mathematica には、 Exclusions というオプションがある。
  Plot[Tan[x],{x,-10,10},Exclusions->{Cos[x]==0}]



桂田 祐史