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3.4.2 DRM の発見、そして…

AGM 法が発見されてしばらくは AGM 法の効率がダントツに高かったが、 最近になって、 うしろ後保範氏によって考案された DRM (分割有理数化法) によって、 $ \arctan$ 公式や Ramanujan 型公式に現れるような級数の和を 効率的に計算できるようになった。 $ \arctan$ 公式, AGM, Ramanujan 型公式のいずれも $ O(n (\log n)^{p})$ ($ p=2,3$) の計算量で計算できることになり、 あまり差がなくなったということである。

『分割有理数化法 (DRM) による多数桁関数値計算と円周率計算の世界記録』, 後 保範 (2005年1月25日, 3月3日)
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/pdf/Ushiro/20050224gijyutsu/paper4/paper4.pdf

むしろ、 2006年5月現在の世界記録は、 2002年に有名な金田氏と後氏等のグループによって、 $ \arctan$ 公式を用いて達成されたものであるので、 $ \arctan$ 公式が抜き返したと言ってもよいかもしれない。

次はどうなるのだろう…Ramanujan 型公式だろうか?


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Masashi Katsurada
平成20年10月18日