(駆け足で説明する。後から加筆する可能性が大きい。)
TEX は著名なコンピューター・サイエンティストである Donald Knuth の開発した文書整形システム (組版システム) である。 TEX は日本では「てっく」または「てふ」と呼ばれている。
当初、数式を含む英文を清書することを目的に、 組版技術を十分に調べた上で、 それをコンピューター上で実現することを目標に開発された。
Knuth 自身は TEX に関する情報を完全に公開していて、 ソフトウェアを無償で利用することができる。 それを補助、発展させるためのソフトウェア、データも ほとんどは無償で公開されている。 例えば、TEX 本体や周辺ソフトウェアの日本語対応版、 日本語フォント (やそれを利用する仕組み)、Windows 環境への移植版、 インストーラーなど、すべてインターネットから無償で入手できる (後日説明予定)。
数学者村では標準の文書フォーマットである。 理工系の多くの分野で利用されているが、 それだけでなく文系の研究者が利用した例もある (発音記号やマイナーな言語などを扱う場合)。
もともと組版技術を十分に研究した上で作られたものであるため、 高品質な仕上がりが得られる。 英語圏ではもちろん、 日本でも理工系の多くの書籍 (中学高校の教科書や問題集なども含む) で採用されている。
それ自身は文書の配布フォーマットとしては適当でないが (表示、印刷に専用のソフトウェアが必要なため)、 簡単に PDF に変換できるので、PDF ファイルにしてから配布することができる。
この授業では、 TEX の一種である LATEX (正確にはその日本語対応版 pLATEX) を 使ってもらうことにする。