next up previous
Next: 2 C を使おう Up: 2005年度情報処理II     第11回 数学のためのコンピューター (3) Previous: 2005年度情報処理II     第11回 数学のためのコンピューター (3)

1 数学とコンピューター

数学のためのコンピューターは NSG の三本柱

  1. Numerical (computation) … 数値計算
  2. Symbolic (computation) … 数式処理
  3. Graphics (or visualization) … グラフィックス (可視化)

今日は N, すなわち数値計算、特に方程式の数値解法について考える。

コンピューターによる方程式の数値解法は「繰り返し」がキー
  1. 線型方程式 (1次方程式) でも、 未知関数の個数 $ N$ が非常に大きい問題が現われる
    例えば N=1億 (原子炉圧力容器の構造計算であるとか1)
  2. 非線型方程式の場合、問題の自由度が低くても反復計算になる。
    1. 有限回の四則では exact (厳密) に解けない問題がほとんどである。
    2. 「反復法」で多くの問題が解ける。
      すなわち、真の解 $ x^*$ をある列 $ \{x_n\}$ の極限としてとらえ ( $ \dsp\lim_{n\to\infty}x_n=x^*$)、 十分大きな $ n$ に対して $ x_n$$ x^*$ の近似として採用する。近似解ではあるが、 コンピューターで数値計算する限り、 有限精度であることは避けられないので、 exact な方法 (もしそれがあったとして) とほとんど差がない2


\begin{jexample}
$x^3-4x^2+3x+4=0$ の実数解を求めよ、という問題の解は
\begin{d...
...,Newton 法で直接解を計算する方が
簡単である可能性が高い。 \qed
\end{jexample}


next up previous
Next: 2 C を使おう Up: 2005年度情報処理II     第11回 数学のためのコンピューター (3) Previous: 2005年度情報処理II     第11回 数学のためのコンピューター (3)
Masashi Katsurada
平成17年7月7日