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| ![\begin{jtheorem}[全微分可能ならば、連続かつすべての変数について偏微分可能]
$\Om...
...frac{\rd f_i}{\rd x_j}(a)\right).
\end{displaymath}\end{enumerate}\end{jtheorem}](img54.png)  | 
 が
 が  で全微分可能であるから、
 で全微分可能であるから、
 s.t.
 s.t.
| (  ) |  | 
 のとき、
 のとき、
  
 であるから、
 であるから、
 であることに注意しておく。
 であることに注意しておく。
 
 のとき、
 のとき、
|  |  | |
|  | 
 
 は
 は  で連続である。
 で連続である。
 を書くことにする。
 を書くことにする。
  
 ,
,
  
 ,
, 
 とおくと
 とおくと
| (再掲  ) |  | 
 成分は、
 成分は、
 
 に対して、
 に対して、
 とすると、
 とすると、
 
 
 は
 は  で変数
 で変数  につき偏微分可能で、
 につき偏微分可能で、
 
 
 
この定理によって、
 が全微分可能であるとき、
その全微分係数は偏微分することで求められることが分かった。
偏微分は本質的に1変数関数の世界の話であるから、簡単に実行できることが多い。
 が全微分可能であるとき、
その全微分係数は偏微分することで求められることが分かった。
偏微分は本質的に1変数関数の世界の話であるから、簡単に実行できることが多い。
与えられた関数が全微分であることがどうしたら分かるか?というのが問題になるが、 これについては次の定理が有用である。
| ![\begin{jtheorem}[$C^1$級ならば全微分可能]
$\Omega$ は $\R^n$ の開集合、
$f\co...
... は $C^1$ 級とするとき、
$f$ は $\Omega$ で全微分可能である。
\end{jtheorem}](img83.png)  | 
 とおくとき、
 とおくとき、
|  が  級  |    が  級 (  ) | |
|  が全微分可能  |    が全微分可能 (  ) | 
 として証明すれば良い。
 として証明すれば良い。
 が開集合であるから、
 が開集合であるから、
 s.t.
 s.t. 
 任意の
任意の  ,
, 
 に対して、
 に対して、
|  |  | |
|  | ||
|  | ||
|  | ||
|  | ||
|  | 
 s.t.
 s.t.
 
 
 
   
 
 のとき
 のとき
 
 は
 は  級であると仮定したので
 級であると仮定したので 
 は連続であることから、
 は連続であることから、
 
ゆえに、三角不等式と、
 (
 (
 ) であることを用いると、
) であることを用いると、
 
   
 
 
   
 
 が
 が  で全微分可能であることを示している。
 で全微分可能であることを示している。  ARRAY(0xf8a5a4)
ARRAY(0xf8a5a4)  
この定理の仮定は、 が
 が  級であることとしたが、
 級であることとしたが、
 がすべての1階偏導関数を持ち、
それらが連続であることしか上の証明では用いていない。
つまり
 がすべての1階偏導関数を持ち、
それらが連続であることしか上の証明では用いていない。
つまり  の連続性は用いていないが、全微分可能であることが示されたので、
定理 0.1 によって、
 の連続性は用いていないが、全微分可能であることが示されたので、
定理 0.1 によって、
 は連続である。
ゆえに次のことが分かった。
 は連続である。
ゆえに次のことが分かった。
|   | 
これから、関数の1階偏導関数をすべて求めて (これは容易な場合が多い)、 それらが連続関数であることが確められれば、 その関数が全微分可能であることが分かる。 これは与えられた関数が全微分可能であることの強力な確認手段である。
 
 
 
 
