3 注意 (必ず読むこと)

次の(1)が非常に重要である。 例年それを間違えてナンセンスなレポートを提出する人が少なくない。
(1)
$ V_n$ $ \dsp\int_{\rd\Omega}V_n
\;\D\sigma=0$ を満たしている必要がある (そうでないと解が存在しない)。 実際、 $ \dfrac{\rd\phi}{\rd n}$ の定義と Gaussの発散定理から

$\displaystyle \int_{\rd\Omega}V_n\;\D\sigma
=\int_{\rd\Omega}\frac{\rd\phi}{\r...
...\D\bm{x}
=\int_{\Omega}\Laplacian\phi\;\D\bm{x}
=\int_{\Omega}0\;\D\bm{x}=0.
$

     非圧縮流 ( $ \mathop{\mathrm{div}}\nolimits \bm{v}=0$) の速度場 $ \bm{v}$ が分かっている場合に、 $ V_n=\bm{v}\cdot\bm{n}$ と置いた場合は、 この条件は (自動的に) 成り立っている ( $ \dsp\int_{\rd\Omega}V_n\;\D\sigma=\int_{\rd\Omega}\bm{v}\cdot\bm{n}
\;\D\sigma...
...ega}\mathop{\mathrm{div}}\nolimits \bm{v}\;\D\bm{x}=\int_{\Omega}0\;\D\bm{x}
=0$)。

     そうでない場合には、 $ \dsp\int_{\rd\Omega}V_n
\;\D\sigma=0$ が成り立つように、注意深く $ V_n$ を選ぶ必要がある。

     過去の例では、 円を楕円にするような(一見)安直な選択をしたレポートがあったが、 何か工夫をしないと $ \dsp\int_{\rd\Omega}V_n
\;\D\sigma=0$ が確かめにくい (円弧と異なり、楕円弧の長さは計算しにくいので、 たとえ $ V_n$ が定数であっても計算は面倒である)。 境界曲線が線分や円弧からなる場合 (多角形領域とか) を選ぶのが無難である。

(2)
湧き出しや吸い込み、点渦など、特異点が $ \Omega$ 内にあるような問題 (レポート課題1のテーマであったとも言える) は、 この方法では解くことが出来ない。



桂田 祐史