(この文書は、 2018/6/18 の講義のためのメモ 08-20180618応用複素関数.pdf の主要部分を打ち込んだものである。 次の節と適当にマージする。)
![\begin{jdefinition}
\begin{enumerate}[(1)]
\item
$U$ は $\mathbb{C}$ の領...
... がともに正則であることをいう。
\end{enumerate}\end{jdefinition}](img138.png) 
 で交わる滑らかな2曲線
 で交わる滑らかな2曲線  ,
,  があるとき、
 があるとき、
 と
 と  がなす角は、
 がなす角は、
 と
 と  を
 を  で写した2曲線のなす角に等しい。
実際
 で写した2曲線のなす角に等しい。
実際  で
 で  を通る曲線
 を通る曲線 
 に対して、
に対して、
 
 
 
 が双正則ならば、
 が双正則ならば、
 .
両辺を微分して、
.
両辺を微分して、
 .
これから
.
これから 
 .
.  
  
 
![\begin{jexample}[単位円盤の等角写像]
$z_0\in D_1$, $\eps\in\mathbb{C}$...
...定理を用いる。
詳しいことは付録に回す)。 \qed
\end{jexample}](img151.png) 
 
![\begin{jexample}[Schwarz-Cristoffelの公式]
(準備中)
\qed
\end{jexample}](img153.png) 
数学の多くの分野で「同型写像」と呼ばれる写像があるが、
双正則写像は複素関数論における同型写像と言って良いであろう。
 が双正則であるとき、
複素関数論的には
 が双正則であるとき、
複素関数論的には  と
 と  は同じ、ということである。
 は同じ、ということである。
これは応用上も意味があることで、
例えば  (
 ( ) における渦無し非圧縮流は、
) における渦無し非圧縮流は、 (
 ( ) によって
) によって
 (
 ( ) における渦無し非圧縮流にうつる。
) における渦無し非圧縮流にうつる。
 と
 と  の一方で流れの問題が解ければ、他方でも解けたことになる、等々。
 の一方で流れの問題が解ければ、他方でも解けたことになる、等々。
同型写像というものを考えると、標準的なものに移すことが問題になるが、 複素関数論では、次の定理が基礎的である。
記号の紹介    
  複素平面の原点中心、半径  の開円盤を
 の開円盤を  で表す:
 で表す:
  
 .
.
![\begin{jtheorem}[Riemannの写像定理]
$U$ は $\mathbb{C}$ 内の単連結...
...の双正則写像 $\varphi\colon U\to
D_1$ が存在する。
\end{jtheorem}](img160.png) 
 のことを
 のことを  の等角写像、
 の等角写像、 の写像関数と呼ぶことがある。
(要するに、
「
の写像関数と呼ぶことがある。
(要するに、
「 の等角写像」とは、
 の等角写像」とは、 から
 から  への双正則な関数のことである。)
 への双正則な関数のことである。)
![\begin{jremark}
\begin{enumerate}[(1)]
\item
条件 $U\ne\mathbb{C}$ は必要...
...数である($U$のmodulusと呼ばれる)。 \qed
\end{enumerate}\end{jremark}](img162.png) 
上の定理の仮定のもとで、双正則写像  は一意的には定まらないが、
次の定理が成り立つ。
 は一意的には定まらないが、
次の定理が成り立つ。
条件 (5.1) を正規化条件と呼ぶ。
複素平面
 内の任意の単純閉曲線 (Jordan曲線)
内の任意の単純閉曲線 (Jordan曲線)  は、
ある有界領域
 は、
ある有界領域  を「囲む」が、
 を「囲む」が、 は単連結である。
こういう
 は単連結である。
こういう  を Jordan 領域と呼ぶ。
この場合は、
任意の双正則函数
 を Jordan 領域と呼ぶ。
この場合は、
任意の双正則函数 
 に対して、
同相写像であるような拡張
 に対して、
同相写像であるような拡張 
 が存在することが知られている
(Caratheodry の定理)。
 が存在することが知られている
(Caratheodry の定理)。
その場合は、
ポテンシャル問題を解くことで が求まることを説明しよう。
 が求まることを説明しよう。
 となる
 となる 
 を取ると、
関数
 を取ると、
関数 
 は
(
 は
( が除去可能特異点であるので)
 が除去可能特異点であるので)  で正則である。
 で正則である。
 
 .
.
 は単連結であるから、
 は単連結であるから、
 の一価正則な分枝が存在する。
その実部・虚部を
 の一価正則な分枝が存在する。
その実部・虚部を  ,
,  としよう:
 としよう:
 
| (4.1) |  (in  )  | 
| (4.2) |  (  ) | 
 のとき、
 のとき、
 ,
すなわち
,
すなわち 
 であるから
 であるから
 
| (4.3) |  (  )  | 
これはポテンシャル問題であり、解が一意的に存在する。
こうして  が定まるが、
 が定まるが、
 は
 は  の共役調和関数として定数差を除き定まる。
特に
 の共役調和関数として定数差を除き定まる。
特に  を満たすものを選ぶ。
 を満たすものを選ぶ。
このとき
![$\displaystyle \varphi(z):=(z-z_0)\exp\left[u(z)+i v(z)\right]
$](img182.png) 
 から
から  への双正則関数である。
への双正則関数である。
桂田 祐史