注意

(1)
$ v_n:=\bm{v}
\cdot\bm{n}$ $ \dsp\int_{\Gamma}v_n\;\D\sigma=0$ を満たしている必要がある。 実際、Gaussの発散定理と非圧縮性の仮定から

$\displaystyle \int_{\Gamma}v_n\;\D\sigma
=\int_{\Gamma}\bm{v}\cdot\bm{n}\;\D\sigma
=\int_{\Omega}\Div\bm{v}\;\D\bm{x}
=\int_{\Omega}0\;\D\bm{x}=0.
$

サンプルプログラムでは、 円盤領域 $ \Omega=\left\{(x,y)\in\mathbb{R}^2\relmiddle\vert x^2+y^2<1\right\}$ , 一様流 $ \bm{v}=\begin{pmatrix}1 2\end{pmatrix}$ であったので、

$\displaystyle \bm{n}=\begin{pmatrix}x y\end{pmatrix},\quad
v_n=\bm{v}\cdot\b...
...
\begin{pmatrix}1 2\end{pmatrix}\cdot
\begin{pmatrix}x y\end{pmatrix}=x+2y
$

としてある。 $ \Div\bm{v}=0$ であるから、 当然 $ \dsp\int_{\Gamma}v_n\;\D\sigma=0$ も成り立つ。
(2)
湧き出しや吸い込み、 点渦などの特異点が $ \Omega$ 内にあるような問題は、 この方法では解くことが出来ない。

potential2d-v0.edp

   1 // potential2d-v0.edp
   2 //   http://nalab.mind.meiji.ac.jp/~mk/complex2/potential2d-v0.edp
   3 //   2次元非圧縮ポテンシャル流
   4 //     速度ポテンシャル,速度を求め、等ポテンシャル線, 速度場を描く
   5 
   6 border Gamma(t=0,2*pi) { x = cos(t); y = sin(t); } // 円盤領域
   7 int m=40;
   8 mesh Th=buildmesh(Gamma(m));
   9 plot(Th, wait=1, ps="Th.eps");
  10 
  11 fespace Vh(Th,P1);
  12 Vh phi, v, v1, v2;
  13 func Vn=x+2*y; // Ωが単位円で, V=(1,2) のとき V・n=x+2y
  14 
  15 // 速度ポテンシャルφを求め、その等高線 (等ポテンシャル線) を描く
  16 solve Laplace(phi,v) =
  17   int2d(Th)(dx(phi)*dx(v)+dy(phi)*dy(v))
  18   -int1d(Th,Gamma)(Vn*v);
  19 plot(phi,ps="contourpotential.eps",wait=1);
  20 
  21 // ベクトル場 (v1,v2)=∇φ を描く (ちょっと雑なやり方)
  22 v1=dx(phi);
  23 v2=dy(phi);
  24 plot([v1,v2],ps="vectorfield.eps",wait=1);
  25 
  26 // 等ポテンシャル線とベクトル場を同時に描く
  27 plot([v1,v2],phi,ps="both.eps", wait=1);

桂田 祐史
2018-06-18