 (on
 (on  ) を満たす
) を満たす  のうちで
 のうちで
![$\displaystyle J[u]=\dint_\Omega\left(u_x^2+u_y^2\right)\DxDy$](img29.gif) (この
   (この  を Dirichlet 積分と呼ぶ)
 を Dirichlet 積分と呼ぶ)
を最小にするものは、
 を満たす。
この事実を Dirichlet の原理と呼ぶ。
実際、
 を満たす。
この事実を Dirichlet の原理と呼ぶ。
実際、 を
 を  (on
 (on   ) を満たす任意の関数とするとき、
) を満たす任意の関数とするとき、
![$\displaystyle f(t):=J[u+t v]$](img33.gif) (
   (
 )
)
は
 で最小となる (なぜならば、
 で最小となる (なぜならば、 も同じ境界条件を満たすので、
最小性の仮定から
 も同じ境界条件を満たすので、
最小性の仮定から 
![$ J[u+t v]\ge J[u]$](img37.gif) . これを
. これを  で言い換えると、
 で言い換えると、
 . これは
. これは  が
 が  で最小になることを意味する。)。
ところで
 で最小になることを意味する。)。
ところで
![$\displaystyle f(t)=J[u]+2t\dint_\Omega\left(u_x v_x+u_y v_y\right)\DxDy
+t^2\dint_\Omega\left(v_x^2+v_y^2\right)\DxDy
$](img39.gif) 
であるから、
 は2次関数であり、
 は2次関数であり、 で最小となるためには
 で最小となるためには
 次の係数
次の係数 
が必要十分である。Green の積分公式2 を適用して
 
これが任意の
 について成り立つことから、
 について成り立つことから、
 .
.
以上の議論から、
![$ J[u]$](img49.gif) を最小にするような
 を最小にするような  を見出せば問題が解決することが分かる。
 を見出せば問題が解決することが分かる。
 は常に
 は常に  を満たすので、
 を満たすので、 が下に有界でありることは明らかで、
従って
 が下に有界でありることは明らかで、
従って  の下限が存在する。
Riemann は、
(この下限は最小値であるから) 最小値を与える
 の下限が存在する。
Riemann は、
(この下限は最小値であるから) 最小値を与える  が存在する、と議論したのだが、
Weierstrass は「下限は最小値である」ことに疑義を示した
(「数学解析」を学んだ人は、
いかにも Weierstrass がツッコミそうなところと思うかも)。
 が存在する、と議論したのだが、
Weierstrass は「下限は最小値である」ことに疑義を示した
(「数学解析」を学んだ人は、
いかにも Weierstrass がツッコミそうなところと思うかも)。  
残念ながら若くして亡くなった Riemann は、 Weierstrass の批判に答えることが出来なかった。 この論法による完全な証明は、 約 50 年後 (1900年頃) に D. Hilbert が解決するまで持ち越された。
本当は、Dirichlet の原理は、 C. F. Gauss (1777-1855) がルーツで、 物理学の世界ではすでに知られていた考え方で、 それを Riemann が純粋数学に応用したのだ、という見方をする人もいる。
桂田 祐史