4.1 ポテンシャル問題とは

Laplace 方程式 $ \Laplacian u=0$ の境界値問題を ポテンシャル問題という。 正則関数の実部・虚部は調和関数 (ラプラス方程式の解) であるため、 関数論のあちこちの重要な場面でポテンシャル問題が登場する。

(2次元渦無し非圧縮流の速度ポテンシャル $ \phi$ は、 Laplace 方程式のNeumann境界値問題

(1)   $\displaystyle \Laplacian\phi=0$   in $ \varOmega$ $\displaystyle ,$
(2)   $\displaystyle \frac{\rd\phi}{\rd n}=\bm{v}\cdot\bm{n}$   on $ \rd\varOmega$

の解である、ということを既に紹介したが、 後日他のポテンシャル問題も紹介する。)

以下では、これを少し一般化した Poisson 方程式の境界値問題 (3), (4), (5) を考える。

実は、この問題は非常に筋の良い問題である。 そのため、様々な数値計算法が適用出来る。 この講義では、(1) 差分法, (2) 有限要素法, (3) 基本解の方法を紹介する。

ポテンシャル問題の数値計算については、 解説文書「ポテンシャル問題の数値計算」 (http://nalab.mind.meiji.ac.jp/~mk/complex2/potential.pdf) にまとめる予定で、 差分法 (とサンプル・プログラム)については、そちらを参照のこと。

この節では、有限要素法による数値計算を説明する。

桂田 祐史
2017-08-11