Poisson 方程式の境界値問題で説明します (有限要素法を自習したい場合には、 菊地文雄, 『有限要素法概説』, サイエンス社, という参考書がイチオシです)。
内の領域 (連結開集合)
における Poisson 方程式の
Dirichlet 問題
(PE) | ![]() ![]() ![]() | |
(DBC) | ![]() ![]() |
Poisson 方程式に
(
は、
内に compact な台を持つ
級の関数全体)
をかけて、Green の積分公式 (多次元版部分積分) を用いると、
次式が得られます。
逆に
(on
) を満たす滑らかな
が、
この条件を満たせば、
は Poisson 方程式を満たすことも容易に分かります。
微分方程式を満たす
を求める代りに、
(1) を満たす
を見出すことを考えましょう。
解の存在を容易に保証できるようにするため、
関数空間を完備化するのが便利です
(解を極限の論法で得よう、という解析学の常套手段)。
具体的には、
以下に定義する
というソボレフ空間
(一般化された導関数を持つ関数からなる関数空間の一種)
で
を探すことにします。
(PE),(DBC) の弱解の定義 | |||
![]()
|
![]() |
![]() という関数の集合に
![]() という内積を導入すると、 ![]()
![]() ![]() とおく。 ![]() ![]() ![]() |
を三角形の「整った」合併
で近似し、
で連続で、
各三角形上で1次関数であるような関数全体を
とします。
は
の有限次元部分空間とみなせ、
グラフが三角錐であるような関数
,
,
を
基底に取って、
各元をその基底の線型結合として表現することができます:
(PE),(DBC) の弱解の定義 (書き換え) | ||||||
![]()
|
有限要素解の定義 | ||||||
![]()
|
次のようなプログラム poisson.edp を用意します (例えば emacs を使って作成します)。
poisson.edp |
// 境界の定義 (単位円), いわゆる正の向き border Gamma(t=0,2*pi) { x=cos(t); y=sin(t); } // 三角形要素分割を生成 (境界を50に分割) mesh Th = buildmesh(Gamma(50)); plot(Th,wait=true); // 有限要素空間は P1 (区分的1次多項式) 要素 real [int] levels =-0.012:0.001:0.012; fespace Vh(Th,P1); Vh u,v; // Poisson 方程式 -△u=f の右辺 func f = x*y; // 現在時刻をメモ real start = clock(); // 問題を解く solve Poisson(u,v) = int2d(Th)(dx(u)*dx(v)+dy(u)*dy(v))-int2d(Th)(f*v) +on(Gamma,u=0); // 可視化 (等高線) plot(u,wait=true); //plot(u,viso=levels,fill=true,wait=true); // 可視化 (3次元) --- マウスで使って動かせる plot(u,dim=3,wait=true); //plot(u,dim=3,viso=levels,fill=true,wait=true); // 計算時間を表示 cout << " CPU time= " << clock() - start << endl; |
FreeFem++ で poisson.edp を実行 |
mymac% FreeFem++ poisson.edp |
キーボードからのコマンド | ||||||||||||||||||||||
|
plot(u); のところを plot(u,ps="graph.eps"); のように すると、画面に表示するだけでなく、 PostScript 形式でファイル出力できます (TEX 文書への取り込みが簡単です)。