10.2 とりあえず例を1つ

入れたいグラフィックスが PNG 形式のファイル “besselj.png” である場合に、LATEX 文書に取り込むには、 例えば次のようにする。

\documentclass[12pt,dvipdfmx]{jarticle}% オプション dvipdfmx に注目
...
\usepackage{graphicx}% 重要	
...

\begin{document}
...
\begin{figure}[ht]% これで besselj.png を取り込む
 \centering
 \includegraphics[width=10cm]{besselj.png}
 \caption{Bessel 関数 $J_n$ ($n=0,1,\cdots,5$)のグラフ}
 \label{figure:ベッセル関数のグラフ}% \caption の後に \label する
\end{figure}
...
\end{document}

図 6: Bessel 関数 $ J_n$ ( $ n=0,1,\cdots ,5$)のグラフ
Image besselj

(繰り返しになるが) 要点は次のようになる。

(a)
プリアンブルで、 \usepackage{graphicx} と graphicx パッケージの 使用を宣言する。graphicx で利用するドライバをオプションで指定する (先頭で \documentclass[12pt,dvipdfmx] {jarticle} とするか、 パッケージ読み込み時に \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} とオプション設定する)。
(b)
グラフィックスのファイルの取り込みは、 \includegraphics{} で指示する。 取り込み時に width=横幅height=高さ, scale=拡大率 などで大きさを指定できる。 angle=角度 で回転もできる。
(c)
グラフィックスは大きなスペースを占めるので、 ページのどこに配置するかは組版するソフトウェアに任せるものとされている (昔は、著者は原稿を出すだけで、版を作るのは植字する人(職人さん)、 というシステムで、植字する人がソフトウェアに置き換わった、ということになる)。 LATEX では、figure 環境を利用することが推奨されている。 いわゆるセンタリングを行い、キャプションをつけるのが普通である。
(d)
figure 環境を使うと、図に番号が振られるが、それを参照したければ、 \label{figure:ベッセル関数のグラフ} のようにラベルをつけ、番号が欲しいところで \ref{figure:ベッセル関数のグラフ} とする。

おまけ     上で使った besselj.png は、Mathematica で
g1 = Plot[Evaluate[Table[BesselJ[n, x], {n, 0, 5}]], {x, 0, 10}]
Export["besselj.png", g1]
として作成した。 第1種Bessel関数 \bgroup\color{red}$ J_n$\egroup ( \bgroup\color{red}$ n=0,1,\cdots,5$\egroup) の \bgroup\color{red}$ 0\leq x\leq 10$\egroup の範囲でのグラフである。



桂田 祐史