1.2.3 停止則について

小さな正の数 $ \eps$$ \delta$ を与えて

$\displaystyle \vert\Delta x_k\vert<\eps$   $\displaystyle \mbox{(ただし $\Delta x_k:= x_{k+1}-x_k$)}$

あるいは

$\displaystyle \vert f(x_k)\vert<\delta
$

のとき、$ x_k$ が十分良い近似解となったと判断して反復を停止する という考えで書かれているプログラムが多いが、 $ \eps$$ \delta$ をどう取るべきかまで考えておかないと不十分であろう。

例えば代数方程式

$\displaystyle \sum_{i=0}^n a_i x^i=a_n x^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_1 x+a_0=0
$

を Newton 法で解く場合には、$ \eps_M$ を計算機イプシロンとして、

$\displaystyle \vert f(x_k)\vert\le \left(\sum_{i=0}^n\vert a_i\vert\vert x_k\vert^i\right)\eps_M
$

が良いと言われている (杉原・室田 [22] p. 64 を見よ)。



桂田 祐史