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2.1 問題点

一般固有値問題をそれと同値な標準固有値問題に変換する方法は、 以下紹介するように色々ある。

標準固有値問題の解法として、 Householder 法のように行列の成分が直接必要なアルゴリズムを利用する場合には、 行列の疎性が保存されるかどうかが重要なポイントになる。

これに対して、 冪乗法や Lanczos 法を利用する場合には、 行列の疎性は必ずしも必要ではない。つまり掛け算

\begin{displaymath}
x\mapsto P x
\end{displaymath}

を効率的に行うのに必ずしも $P$ の疎性は必要ないことに注意しよう。

\begin{displaymath}
P=P_1 P_2 \cdots P_r
\end{displaymath}

と分解できたとして、各 $i$ につき、 $P_i$ または ${P_i}
^{-1}$ の一方が疎であれば良いわけである1


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桂田 祐史
2014-05-27