A. 宮寺 [2] から


\begin{jtheorem}
X は Banach 空間、
$x\colon[a,b]\to X$\ は Bochner 可積...
...laymath}
y'(t)=x(t)\quad\mbox{a.e. on $[a,b]$}.
\end{displaymath}\end{jtheorem}

ところで (実数値関数と異なり) Banach 空間値関数 $ x\colon [a,b]\to X$ は 絶対連続であるというだけでは、 ほとんど到るところ微分できるとは限らない。 しかし次の定理が成り立つ。

\begin{jtheorem}
$X$\ は Banach 空間、
$y\colon[a,b]\to X$\ は絶対連続...
...laymath}
y'(t)=x(t)\quad\mbox{a.e. on $[a,b]$}.
\end{displaymath}\end{jtheorem}

\begin{jtheorem}
$X$\ は Banach 空間、
$y\colon[a,b]\to X$\ は強有界変...
...mbox{w-}y'(s)$\ は
$[a,b]$\ 上で Bochner 可積分である。
\end{jtheorem}

このとき

$\displaystyle z(t):=y(a)+\int_a^t x(s)\,\D s$   $\displaystyle \mbox{($t\in[a,b]$)}$

は定理 A.1 より 絶対連続かつほとんど到るところ強微分可能な 関数で、 $ z'(t)=x(t)$ (a.e. on $ [a,b]$ ) を 満たすが、 $ z(t)\equiv y(t)$ とは限らない。 しかし、上の仮定に加えて
$ \forall f\in X'$ に対して $ [a,b]\ni t\mapsto
\left\langle{f},{y(t)}\right\rangle \in\R$ は絶対連続である ($ y$ の弱連続性)
を仮定すると $ z(t)\equiv y(t)$ . すなわち

$\displaystyle y(t)=y(a)+\int_a^t x(s)\,\D s$   $\displaystyle \mbox{($t\in[a,b]$)}$$\displaystyle .
$

なお $ X$ が回帰的ならば、関数が有界変分であることから、 ほとんど到るところ弱微分可能であり、 弱導関数が Bochner 可積分であることが分かる (田辺 [5])。


\begin{jtheorem}
$X$\ は回帰的 Banach 空間、$y\colon[a,b]\to X$\ は絶...
...a)+\int_a^t x(s)\,\D s\quad\mbox{($t\in[a,b]$)}.
\end{displaymath}\end{jtheorem}

\begin{jcorollary}
$X$\ は回帰的 Banach 空間、$y\colon[a,b]\to X$\ と...
...laymath}
y'(t)=x(t)\quad\mbox{a.e. on [a,b]}.
\end{displaymath}\end{jcorollary}

桂田 祐史
2016-12-30