4.1 実数値関数の場合

次の非常に簡明な結果が成立する。


\begin{jtheorem}[$\mathrm{AC}=W^{1,1}$]
コンパクトな区間 $[a,b]$\ で...
...arphi\in C^\infty_0((a,b);\R)$)}.
\end{displaymath}\end{enumerate}\end{jtheorem}
(i) $ \Then$ (ii) の証明。 $ y\in \mathrm{AC}([a,b];\R)$ とする。 まず明らかに $ y\in L^1(a,b;\R)$ . Radon-Nikodym の定理より、 $ [a,b]$ 上ほとんど到るところ微分可能で、 $ y'\in L^1(a,b;\R)$ . 任意の $ \varphi\in C^\infty_0((a,b);\R)$ は絶対連続であるから、 定理 2.4 によって

$\displaystyle \int_a^b y(t)\varphi'(t)\,\D t
=\left[y(t)\varphi(t)\right]_{a}^b-\int_a^b y'(t)\varphi(t)\,\D t
=-\int_a^b y'(t)\varphi(t)\,\D t.
$

これは $ y\in W^{1,1}(a,b;\R)$ で、$ y$ の Sobolev の意味での導関数が、 $ y'$ に他ならないことを示している。

(ii) $ \Then$ (i) については、 次の命題 4.2 から分かる。$ \qedsymbol$


\begin{jproposition}[Brezis \cite{Brezis} の定理VIII.2]
$I$\ を $\R$\ の...
...の意味での広義導関数 (超関数微分) である。
\end{jproposition}

これ以外に Brezis [4] の p.171 命題 VIII.3 とその直後の注意を見よ。

桂田 祐史
2016-12-30