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9.1 テーマの説明

もう少し具体的に書くと

丸い領域における熱方程式、波動方程式、ポアソン方程式を解くこと
となる。このテーマは単純のようだが、思いの外、参考になるものが少ない。

これについては、最近次のように疑っている。

「コンピューターが貧弱な頃は、 球領域のような3次元の問題は気軽には解けない問題であった。 そのせいで非常に重要かつ根本的な問題ではあるが、 まとまった説明が手に入りにくくなっている」

誰もやっていないはずはないと信じるが、 自力で解き直すのも意味のないことではないと考えてチャレンジする。

既に円盤領域、円柱領域については、次のような卒業研究があった。

  1. 1996年度卒研 松本英久「2次元領域における熱伝導方程式 -- 円・円環領域に対する追求$ \cdots $ --」
  2. 1996年度卒研 遠藤洋一, 高木章裕, 内藤達也 「円盤領域における熱方程式の研究」
  3. 2004年度卒研 岡田俊宣「円盤円柱領域における熱方程式に対する差分法」
  4. 2004年度卒研 吉原健治 「3次元円柱領域における熱方程式・Laplace 方程式の厳密解について」

その結果分かったことは、 すぐに思いつく極座標変換によって

$\displaystyle \{(r,\theta); 0\le r<R, 0\le\theta\le2\pi\}
$

における問題に帰着してから解く方法は、 安定性の条件が非常に厳しくなってしまうようで、 その分析と、それを回避する方法を探求する必要がある、 ということである。


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桂田 祐史
2015-12-24