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8.1.2 Shortley-Weller近似

(2次元の場合で説明すると) 長方形の合併でない(問題)領域を差分法で扱うには、 適当な写像を用意して、長方形の合併の形の(計算)領域に移して、 そちらを差分格子で切って差分方程式を立てる、 というのが一つの確立されたやり方である。 そういうテーマで書かれた本もあるが、 正直言って私は「あまり読む気が起らない」。 誰かもう少し数学的に整理して説明してくれないかな、 そうなるまでは敬遠しよう…

一方で、数学的な興味からも円盤領域、球領域は重要な対象で、 その領域における問題だけはすいすい解けるようにしておきたい、 という強い希望がある。 これは極座標変換で簡単にすむように思えるが、 なかなかどうして一筋縄では行かないのである。 円盤領域の熱方程式一つとっても 1996年度の松本君から、2006年度の池谷君まで10年かかってしまった (これは1年ごとで切る卒研の性格によるもので、 詰めてやれば2年はかからなかったと思うけれど)。 球領域がはっきり分かるのはいつになるやら? 波動方程式はどうか? なかなか道は遠い。 …と思っていたときに Shortley-Weller 近似でやってみよう、 と1歩踏み出したのが、2006度金子君 (12.2)。 今年は2歩目だ。久保田君の首尾はいかに。 それについては 8.6 を見てもらうとして、 次のように色々な問題が残っているが、どれも面白そうである。

(a)
円盤領域における波動方程式へ適用して、太鼓のシミュレーションをする。
(b)
安定性条件を探る。
(c)
陰解法プログラムはどうやって書くか。


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桂田 祐史
2015-12-24