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5.5.1 予備的解説

戦争を数理的に分析した Frederick William Lanchester2 (1868-1946) の 研究は名高い。 ``Aircraft in Warfare: the dawn of the Fourth Arm'' (戦闘における飛行機: 第4の兵器のあけぼの, 1916年) は、 飛行機によって戦争のあり方がどう変るか、 微分方程式

      $\displaystyle \frac{\D b}{\D t}= -c r,$
      $\displaystyle \frac{\D r}{\D t}= -k b$

によるモデル (Lanchester のモデル) を用いて論じたものである。 飛行機が登場する以前の戦闘は、 多くの場合「1対1」が基本であったが、 飛行機による戦闘ではそうでなく、 後にLanchester の2次法則と呼ばれることになった定量的な法則

$\displaystyle r(0)^2-r(t)^2=E\left(b(0)^2-b(t)^2\right),\quad
E:=
$

が成立する。

トラファルガーの海戦

この業績は、Operations Research の先駆けともなったことでも有名であるが、 Lanchester のモデル自身は色々と拡張されている。


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桂田 祐史
2015-12-24