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B..1 Kepler の方程式

離心近点角 $ E$, 平均近点角 $ M$, 楕円の離心率 $ e\in [0,1)$ について

$\displaystyle E-e\sin E=M
$

が成り立つが、これを Kepler の方程式と呼ぶ。 この解は Bessel 関数を用いて

$\displaystyle E=M+\sum_{n=1}^\infty
\frac{2}{n}J_n(n e)\sin nM
$

と解ける。

($ M$$ e$ が与えられて $ E$ を 求めるには、ということだろうけれど、 数値的に求めるだけならば、 直接方程式を Newton 法で解くのが早いだろうな。 まあ、パラメーター依存性とか見るにはよいのだろうけれど。)

(書きかけ) 楕円軌道 $ (x/a)^2+(y/b)^2=1$ で、 焦点 $ (c,0)$ ( $ c=\sqrt{a^2-b^2}$) に 「太陽」があるとする。 近日点 $ (a,0)$$ \pi=(1,0)$ となるように 縮尺を変えると、 太陽の位置は $ \mathrm{S}=(e,0)$ となる ($ e:=c/a$)。 単位円上を等角速度で動く仮想の天体を考える。 ただし、 周期と近日点を過ぎるタイミング は問題としている惑星と同じとする。 ある時刻に平均近点角が $ M$ であるとは、 その仮想の天体の座標が $ (\cos M,\sin M)$ ということである。 問題の惑星の位置を $ \mathrm{P}=(x,y)$ とする。 単位円上の点 $ \mathrm{P}'$ $ \mathrm{P}'=(x,\sqrt{1-x^2\;}\sign y)$ で定める。 $ E=\angle \pi\mathrm{OP}'$ を離心近点角という。 $ E$ から真近点角 $ \angle \pi\mathrm{SP}=\nu$ を求めるには

$\displaystyle \tan\frac{\nu}{2}=
\sqrt{\frac{1+e}{1-e}}\tan\frac{E}{2}
$

を解けば良い。


\begin{yodan}
Kepler の方程式は文献に現れた
初めての超越方程式ということであり`..
...てきたそうである
(平凡社百科事典の記述 (by 堀 源一郎) による)。 \qed
\end{yodan}


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Masashi Katsurada
平成18年11月21日