9 ヒラギノフォント -- 知識の整理

(やはり、、、フォントの話は悩ましい。 macOS と MacPorts と MacTeX が絡むので、スッキリしない。 良く分かっているわけではなく、しばらく工事中。)


Yosemite のような古い macOS (MacOS X?) では、 ヒラギノフォントと呼ばれるフォントの otf ファイルが、 /Library/Fonts//System/Library/Fonts/ に置いてある。

/Library/Fonts
 Hiragino Sans GB W3.otf                ヒラギノ丸ゴ Pro W4.otf
 Hiragino Sans GB W6.otf                ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf
 ヒラギノ明朝 Pro W3.otf                ヒラギノ丸ゴ ProN W4.otf
 ヒラギノ明朝 Pro W6.otf                ヒラギノ角ゴ Std W8.otf
 ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf                ヒラギノ角ゴ StdN W8.otf
/System/Library/Fonts
 ヒラギノ明朝 ProN W3.otf               ヒラギノ角ゴ ProN W3.otf
 ヒラギノ明朝 ProN W6.otf               ヒラギノ角ゴ ProN W6.otf

しかし El Capitan 以降の macOS には、これらのファイルは存在しない。


MacPorts の ghostscript-fonts-hiragino では、 これらのフォントが、 /opt/local/share/fonts/otf/Hiragino にあると仮定している。

研究室 Mac は古いマシンなので、 macOS の更新をする前にこれらのフォントを /opt/local/share/fonts/otf/Hiragino に退避しておいた。
こんな風になってます
% ls /opt/local/share/fonts/otf/Hiragino
Hiragino Sans GB W3.otf               ヒラギノ丸ゴ Pro W4.otf
Hiragino Sans GB W6.otf               ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf
ヒラギノ明朝 Pro W3.otf               ヒラギノ角ゴ ProN W3.otf
ヒラギノ明朝 Pro W6.otf               ヒラギノ丸ゴ ProN W4.otf
ヒラギノ明朝 ProN W3.otf              ヒラギノ角ゴ ProN W6.otf
ヒラギノ明朝 ProN W6.otf              ヒラギノ角ゴ Std W8.otf
ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf
%
そのおかげで、今でも ghostscript-fonts-hiragino を利用出来ている。 このような利用方法を Apple は認めているということである。

(https://trac.macports.org/ticket/49279)


一方、MacTeX では、 El Capitan よりも古い macOS で利用する場合、 /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiragino にリンクを張っておけ、となっているらしい。

/opt/local/share/fonts/otf/Hiragino に置いてあるフォントへリンクを張るには、例えば (tcsh 使っているので setenv POS だけど、 bash ならば export POS= とするのかな)
sudo mkdir -p /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiragino
cd /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiragino
setenv POS /opt/local/share/fonts/otf/Hiragino
setenv POS2 /opt/local/share/fonts/otf/Hiragino
#setenv POS /Library/Fonts/Hiragino
#setenv POS2 /System/Library/Fonts/Hiragino
sudo ln -s "${POS}/ヒラギノ明朝 Pro W3.otf" HiraMinPro-W3.otf
sudo ln -s "${POS}/ヒラギノ明朝 Pro W6.otf" HiraMinPro-W6.otf
sudo ln -s "${POS}/ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf" HiraKakuPro-W3.otf
sudo ln -s "${POS}/ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf" HiraKakuPro-W6.otf
sudo ln -s "${POS}/ヒラギノ角ゴ Std W8.otf" HiraKakuStd-W8.otf
sudo ln -s "${POS}/ヒラギノ丸ゴ Pro W4.otf" HiraMaruPro-W4.otf
sudo ln -s "${POS2}/ヒラギノ明朝 ProN W3.otf" HiraMinProN-W3.otf
sudo ln -s "${POS2}/ヒラギノ明朝 ProN W6.otf" HiraMinProN-W6.otf
sudo ln -s "${POS2}/ヒラギノ角ゴ ProN W3.otf" HiraKakuProN-W3.otf
sudo ln -s "${POS2}/ヒラギノ角ゴ ProN W6.otf" HiraKakuProN-W6.otf
sudo ln -s "${POS}/ヒラギノ角ゴ StdN W8.otf" HiraKakuStdN-W8.otf
sudo ln -s "${POS}/ヒラギノ丸ゴ ProN W4.otf" HiraMaruProN-W4.otf
sudo mktexlsr

こうしておけば、MacTeX 2018 でも
sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-pron
のような設定が出来る。

上に書いたように、 El Capitan 以降では、macOS で提供されるフォントに変更があり、 MacTeX では、それを利用するという方針のようである。

「macOS 10.13 High Sierra / macOS 10.12 Sierra / OS X 10.11 El Capitan への対応」 などを見よ。

例えば、MacTeX 2018 を使う場合、以下のようにしなさい、とのこと。
sudo cjk-gs-integrate --link-texmf --cleanup
sudo cjk-gs-integrate-macos --link-texmf
と準備してから、macOS Sierra / OS X El Capitan の場合は
sudo sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-elcapitan-pron
macOS High Sierra の場合は
sudo kanji-config-updmap-sys --jis2004 hiragino-highsierra-pron
(https://texwiki.texjp.org/?TeX%20Live%2FMac#qdce07c2, MacTeX 2018 のインストール&日本語環境構築法)


MacTeX は最新のものを使いましょう、ということなのか、 古い MacTeX ではどうするかという情報が見つけにくい。 移行期(混乱期?)の情報は、 「macOS High Sierra のヒラギノフォント」 を見ると良い。


個人的には、MacPorts の ghostscript を使う関係で、 otf を保持しているので、MacTeX の方も古いやり方を使い続けているけれど (そろそろこの方針を変えるべきかもしれない)、 いつまでもそうしていられるかは不明である。

チェック項目

  1. /opt/local/share/fonts/otf/Hiragino にヒラギノ・フォントはあるか?
    ls /opt/local/share/fonts/otf/Hiragino
    
  2. /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiragino にリンクは張ってあるか?
    ls /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/public/hiragino
    
  3. ghostscript はインストールされているか。 日本語フォントの準備は出来ているか。
    ls /opt/local/share/ghostscript/
    ls /opt/local/share/ghostscript/9.xy/Resource/Font/Ryu*
    ls /opt/local/share/ghostscript/9.xy/Resource/Font/Gothic*
    ls /opt/local/share/ghostscript/9.xy/Resource/CIDFont/
    

桂田 祐史
2020-04-05