余談から入る。
辞書とか百科事典との付き合い方は、人それぞれで、世代の差も大きそうだ。 私よりも上の世代は、一度入手したものをその後も大事に使い続ける、 そうするものだ、という意識があるのではないかと思う。
1990年代とかは、CD-ROM という媒体がナウくて (わざと古語を使っている)、 辞書・百科事典が CD-ROM の形で盛んに発行された。 そういうものを必要に応じて買い集めたのは、自分としては当然の行動だった。 その当時は、EPWING という規格が主流であった。 これは使う側からすると、非常に扱いやすかった。 何のコピー・ガードもなかったから。 しかし、同時に一人しか使わないことを保証するようにソフトウェアを書くとか、 使う側も結構真面目・律儀にやっていたものである。 性善説の世界だったわけだ (はるかな遠い昔…)。
そのうちに EPWING を使った辞書タイトルは減ってきて、 ついには全く販売されなくなってしまった。 仕方がないとは思うけれど、残念なことだ。
そういうわけで昔入手したEPWING辞書達を大事に使い続けている。
今だと辞書というと、携帯型を思い浮かべる人が多いのではないか。 自分が今中高生で英語や古文を勉強するのならばそれもありかと思うけれど、 仕事でパソコンのモニターをにらんでいる時 (研究室、ゼミ室、自宅のテーブル、寝室、出張先、…) にそれをする気には全くならない (絶対に辞書をなくす自信がある)。 こういう状況は間違っていると思う。 辞書を利用したい人が相応のお金を払って、 パソコン上で便利に使う方法が用意できるはずだと思う。
コトノコは、EPWING 形式の辞書を読むための、Mac 向けのビューアーである。 一時 AppStore で扱われるようになって「メジャーになった」と思ったのだけれど、 いつの間にかなくなってしまった。
http://app.afternooncafe.jp/でコトノコ 2.1.16 のファイル kotonoko-2_1_16RC.dmg が入手できた。
ダブルクリックするとマウントされる。 コトノコのアイコンをアプリケーション・フォルダ (/Applications) にドラッグして完了 (小さいのですぐ終わる)。 アプリケーション・フォルダに移動して、 コトノコのファイル変更日時を見ると 2013/5/12 である。 Ctrl+クリックして、開くを選択する。 「“コトノコ”の開発元は未確認です。開いてもよろしいですか?」 と出て来る。当然、開く。
ちなみに私は辞書を、 ~/Dic というディレクトリィに入れてある。
% ls ~/Dic/ DAIJIRIN/ READERS-plus/ SPTG-2000/ kokukan/ waei/ READERS/ SEDAI204/ Sugaku4/ wadokujt/ % |
コトノコの環境設定で、 ファイルとして ~/Dic を登録する (これだけでその下にある辞書ファイルがすべて見られるようになる)。 その状態でも使えるが、 辞書セットというのが定義できるようになっている。 私は国語、英語・ドイツ語、事典、ぜんぶ、 という4つの辞書セットを定義して使っている。
桂田 祐史