これは講演 (speech) でも言われることだが、 対象者がどういう人であるか、(場合によっては複数) 想定する必要がある。 読者がどういう知識を持っているか、どの程度の理解力があるか、 どういうことに興味を持つか、良く考えないといけない。
大学で、半分トレーニングとしてレポートを書く場合、 一つの目安は 「少し前の(そのテーマについて無知であったときの)自分や自分の同級生」 であろう。 (卒論や学会発表のときはまた異なる。)
レポートは、理想を言えば、読者の知りたいことに答えるものである。 もちろん、実際には、すべての読者が興味を持つはずはない。 そこで読者はまず序章をざっと読み、 興味を持ったら序章をじっくり読み、 さらに詳しく読みたい (読む必要がある) と感じたら本論以下を読み進める、 と考えること。
授業の課題レポートの場合、 読者は担当科目の教員であり「読者 (先生) は答を知っているはず」 と考えると少々おかしなことになる。 (半分冗談だけれど、 内容を知っていないと読み取れないような字を書く人がいて、 この人は読者に伝える気持ちがあるのだろうか?と疑りたくなることがある。) 「読者は答を知っているかもしれない」くらいに考えること。
桂田 祐史