松本君は代数学が好きだそうで、それに関するテーマを探していて、 出版されたばかりの栗原 [21] を読むことにした。 (今から考えるとあぶなっかしいことを勧めたものだとヒヤヒヤするけれど、 結果オーライであった。 [21] が非常に魅力的に見えたせいであるが、 読後感も満足の行くものであった。)
正 角形が定木とコンパスによって作図可能であるための条件と、 正17角形が作図可能なことを Gauss が発見したのは有名であるが、 後者が実際にどのように得られたものか、 詳しい説明が載っているテキストは少ないのではないだろうか。 有名な高木[22]に載っている説明は、私(桂田)には良く分からなかった。 [21] は Gauss の有名な「数論研究」(1801年) を、 現役バリバリの研究者が読み解いた本であるそうだ。 実際に読んでみて、素晴らしい本であると感じた。 限られた時間で正17角形の作図法を理解するのは強行軍であったが、 松本君は無事やりとげた。
桂田 祐史