3.2 大畑佑樹 「反復法での連立一次方程式の解の収束速度」

大畑君には、将来の研究を見越して、 連立1次方程式の解法であるPCG法 (前処理付き共役勾配法)を勉強してもらうことにした。

数値計算法の体系において、 連立1次方程式を解くアルゴリズムの重要性は相変わらず非常に高い。 Poisson方程式や熱方程式に対する差分法や有限要素法において、 係数行列が正値対称な場合が頻出する。 その場合に、いわゆる前処理付き共役勾配法(PCG法)が決定版のように言われている。 一方、近年普及しつつある精度保証付き数値計算の世界では、 係数行列が疎行列である場合のアルゴリズムには、 まだ満足の行くものが見つかっていないように思われる。

数値計算の常識を身につけるため、 またあわよくば将来の研究課題を見つけるため、 このテーマに取り組んでもらった。

桂田 祐史
2018-06-08