2.1 非同次境界条件

例えば非同次の境界条件にするとどうか。 つまり (5) や (3) の代わりに、 任意に定めた定数 $ A$, $ B$ に対して

(4) $\displaystyle u(0,t)=A,\quad u(1,t)=B$   ( $ t\in(0,\infty)$)   両端温度指定

(5) $\displaystyle u_x(0,t)=A,\quad u_x(1,t)=B$   ( $ t\in(0,\infty)$)   両端熱流束指定

を課す。

(4) については、ゼミでも少し話があった。 定常解 $ v(x)$ が存在し、 $ t\to\infty$ のとき、 $ u(x,t)\to v(x)$ となる ($ v(x)$ は何だったけ?)。 シミュレーションして結果を見ると、理解が深まるであろう。 お勧め。 プログラム作成は heat1d-e-glsc.c をたたき台にする場合は簡単。 heat1d-i-glsc.c をたたき台にする場合は、 [3]の第1章§1.3を参考にするとよい。


(5) は少し難しい。 先回りして説明すると、 $ A=B$ の場合はやはり定常解 $ v(x)$ が存在し、 $ t\to\infty$ のとき、 $ u(x,t)\to v(x)$ となる。 $ A\ne B$ の場合は… これは計算してみてのお楽しみ。 その結果は数式を使って証明することも出来るし、 物理的に考えても「なるほど」となるもの。 プログラム作成は少し難しい (heat1n-i-glsc.c では、 「仮想格子点を用いた近似」という少し凝った方法 (それで精度が上がる) を使っているから。 桂田 [3] の第1章 (特に§1.4)を見ると良い。)。 一段深い内容と言えるかもしれない。 がんばる価値はある。


そのほかに、Newton の冷却の法則に基づく、Robinの境界条件なども考えられる ([2] に説明があるが、プログラム作成については、 [3] の§1.5 が参考になる)。



桂田 祐史