3.1 2階以上の方程式の1階方程式への書き換え (簡単だけど重要)

$ x(t)$ が実数であっても、微分方程式が2階以上である場合は、 以下に見るように、ベクトル値関数についての1階方程式になる。


例えば、単振動の方程式

(10) $\displaystyle x''(t)=-\omega^2 x(t)$   ( $ t\in[0,+\infty)$)

(ここで$ \omega$ は正の定数) は、

      $\displaystyle x_1(t)=x(t),\quad x_2(t)=x'(t),\quad \bm{x}(t) =\begin{pmatrix}x_1(t) x_2(t) \end{pmatrix}$

とおくと、

      $\displaystyle x_1'(t)=x'(t)=x_2(t),$
      $\displaystyle x_2'(t)=(x'(t))'=x''(t)=-\omega^2 x(t)=-\omega^2 x_1(t)$

であるから

$\displaystyle \frac{\D\bm{x}}{\D t}
=\frac{\D}{\D t}
\begin{pmatrix}
x_1(t)\...
...
\begin{pmatrix}
x_2(t)\\
-\omega^2 x_1(t)
\end{pmatrix} =f(t,\bm{x}(t)).
$

すなわち

(11) $\displaystyle \frac{\D\bm{x}}{\D t}=f(t,\bm{x}),\quad f(t,\bm{x}) :=\begin{pmatrix}x_2 -\omega^2 x_1 \end{pmatrix}$

と書き直せる。



桂田 祐史