2 C言語再入門

C言語ってどんな言語。
1972年誕生 (割と古い)。ベル研デニスリッチーが創った。当初 UNIX OS の記述に使われたことで普及。その後、多くの目的(たとえば数値計算)に使用されるようになる。知っていて損はない。
コンピューターの機械語に(ある意味で)近い「低水準言語」。
言語仕様は国際規格になっていて、何度か改定されている。 C99 くらいが相場かも。

C言語で書いたプログラムをコンパイルして作った機械語形式のプログラムを実行する、という使い方が普通である。

hello.c

// hello.c --- 有名な Hello world プログラム

#include <stdio.h>

int main(void)
{
  printf("Hello, world.\n");
  return 0;
}

やってみよう (ターミナルで)

bash-3.2$ mkdir zemi
bash-3.2$ cd zemi

(zemi というディレクトリィを作り、そこに移動する。)

hello.c を作る。emacs を使って作るには

bash-3.2$ e hello.c &

(通常は emacs というコマンドですが、付録のやり方で設定すると、 e 一文字で起動します。emacs で保存は C-x C-s とする。)

bash-3.2$ ls
hello.c
  (ls は存在するファイルの名前をリストするコマンド)
bash-3.2$ cc hello.c
  (cc でコンパイルすると、a.out という実行可能プログラムが出来るはず)
bash-3.2$ ls
a.out   hello.c
  (確かに出来ている)
bash-3.2$ ./a.out
Hello, world.
  (カレント・ディレクトリィ . にある a.out を実行すると "Hello, world." と表示される)
bash-3.2$ cc -o hello hello.c
  (実行可能プログラムの名前を -o 名前 で指定できる)
bash-3.2$ ls
a.out   hello   hello.c
bash-3.2$ ./hello
Hello, world.
bash-3.2$

(参考情報: Cコンパイラー事情) Mac で使える C コンパイラーとして

(1): Clang+LLVM (Xcode の cc)
(2): GCC

がポピュラー (いずれも無料で導入可能)。現象数理学科 Mac には、(1) はインストール済み。 MacPorts がインストールされているので、(2) のインストールも簡単。例えば GCC Version 6 をインストールするには

GCC version 6 のインストール

bash-3.2$ sudo port install gcc6
bash-3.2$ sudo port select --set gcc mp-gcc6

とする。gcc というコマンドが使えるようになる。
注1: MacPorts の更新を勧められるかも。時間に余裕のあるときに次のコマンドを実行する。

MacPorts の更新 (時々やっておくこと)

bash-3.2$ sudo port selfupdate
bash-3.2$ sudo port upgrade outdated

注2: 実は Xcode に gcc というコマンドがあるが、その正体は Clang+LLVM である。 MacPorts でインストールした gcc であることをチェックするには

gcc コマンドは、MacPorts でインストールされた gcc か？

bash-3.2$ which gcc
/opt/local/bin/gcc
  (/opt/local/bin/gcc と表示されれば MacPorts でインストールされたもの\\
   /usr/bin/gcc と表示されれば Xcode に含まれるもの)

Cのプログラムを入力・編集するためにテキスト・エディターと呼ばれるプログラムが使える。
ここでアンケート。C のプログラムの作成に何を使っている？
(1) Xcode (2) mi (3) emacs (4) Atom (5) テキスト・エディット (6) Vim
(桂田は (3), (6) を使っている。)
何か一つに慣れておこう。(3) または (4) がおすすめ。
(1) はプログラミングのための統合環境で、汎用性に問題があるので¹、テキスト・エディターとしては勧めない。
- (3) emacs のインストール
  全員インストールしよう。使うか、使わないかは個人の自由だが。 Emacs の中から TEX を便利に使う YaTeX とか、 Emacs の中でプログラムのデバッグを行う gdb を紹介する予定。
- (4) Atom については、例えば
  http://nalab.mind.meiji.ac.jp/~mk/knowhow-2018/node20.html
  (ネット上に色々情報がある。)
(C言語の勉強) プログラミング言語を学ぶとき「すべてマスターする」などと考えないこと。必要なことを少しずつ確実に、がお勧め。疑問点があったら解消すること。
「C言語これくらい覚えよう」
http://nalab.mind.meiji.ac.jp/~mk/labo/text/cminimum/
の3節 (3.10 くらいまで)、まずはやってみよう (読んでプログラムを入力・実行する -- これを各自が出来るようになることを確認)。
3.11, 3.12はちょっとなやましいので、後日解説する。
「4 練習問題」をこの文書の末尾 (最後の1枚) に引用しておく。

桂田祐史
2018-10-07