「円周率の計算の歴史」 という文書もある。興味があれば見てみよう。
の Maclaurin 展開
を用いて円周率 を表す色々な無限級数を作ることができる。
有名なのが とおいてできるマーダヴァ・グレゴリー・ライプニッツ級数 である:
これは印象的であるが、 収束は極端に遅く、 を計算する目的にはまったく使い物にならない。
絶対値の小さい
を選ぶと実用的な公式が得られる。
例えば
より
Abraham Sharp は 項まで足し合わせて、 小数点以下 100 桁以上の円周率の値を求めたという。
とおき、 を計算する関数を作ってこのことを確かめよ。
s[n_]:=2 Sqrt[3]Sum[1/((-3)^k*(2k+1)),{k,0,n}] s210=s[210] N[s210,200] s210-Pi ns[n_]:=N[s[n],1000] match[n_]:=-1.0*Log[10,Abs[ns[n]-Pi]] ListPlot[Table[match[n],{n,210}]] Remove[k,match,n,ns,s] |
L. Euler (超有名数学者) は次の公式を 1737 年に得た。
John Machin (1680-1752, ロンドン大学天文学教授) は
を用いて 100 桁の値を計算した。この公式は以後多くの人達に採用され続ける。 人手での の計算の記録としては、 William Shanks (1812-1882) が 1873 年に 707 桁計算した (527桁までが正しかった) のが最高だが、彼もこの公式を使った。
C. F. Gauss (数学界の巨人) は 1863 年に以下の公式を得た。
前者はおそらく 3 項の で表される公式のうちで最も効率が高い (らしい)。
2005年現在の最高記録は、 2002年12月、金田康正、うしろ後やすのり保範等の グループが達成した 1 兆 2400 億桁というものだが、 それは高野喜久雄の公式
による (この話は WWW で検索すれば色々ヒットするので省略)。
桂田 祐史