5.10 文字式 (多項式、分数式、その他)

これが「数式処理」という言葉にもっともしっくり来る計算でしょうか (英語を覚えていないと大変かも知れませんが…頑張って下さい)。

文字式の計算 (1)
Expand[(1+x)^10] 多項式の展開
Factor[x^3+y^3+z^3 - 3 x y z] 多項式の因数分解
Apart[1/(x^3-1)] 部分分数への分解
2 f[x] + 3 f[x]  
   
p1 = Expand[(1+x)^10] 多項式の展開結果を変数に代入
p2 = (1+x)^3  
PolynomialQuotient[p1,p2,x] 多項式の商
PolynomialRemainder[p1,p2,x] 多項式の剰余
PolynomialQuotientRemainder[p1,p2,x] 多項式の商と剰余 (同時に求める)
Remove[p1,p2] おそうじ

有理数・有理式に対して、Numerator[], Denominator[] で 分子、分母を取り出すことが出来る。


多項式 $ f(x)$ $ g(x)$ の最大公約多項式を $ d(x)$ とするとき、

$\displaystyle d(x)=p(x)f(x)+q(x)g(x)
$

を満たす多項式 $ p(x)$ , $ q(x)$ が存在する (Euclid の互除法によって、$ d(x)$ と同時に計算できる) が、 PolynomialExtendedGCD[]$ d(x)$ , $ f(x)$ , $ g(x)$ を求めることが出来る。
文字式の計算 (2)
f=x^6+1  
g=x^3-2x^2+x-2  
PolynomialGCD[f,g] 最大公約多項式
PolynomialExtendedGCD[f,g,x] 最大公約多項式
   
Discriminant[a x^2+b x+c,x] おなじみ $ a x^2+b x+c$ の判別式
Discriminant[x^3+p x+q,x] 3次式の判別式は見たことがないかな?
Remove[f,g] おそうじ

(余談: 最近 (2011年のこと)、 16次多項式の判別式の計算に成功したというニュースがありました。 38億近い項数だそうです。次数が高くなると、急激に大変になるんですね。)


終結式を計算する Resultant[], グレブナー基底を計算する GroebnerBasis[] なども用意されています (高校数学には出て来ない、ちょっと高級な概念)。

桂田 祐史
2018-10-12