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2.4 $ \arctan x$ のテイラー級数で $ \pi $ を計算しよう

円周率 $ \pi $ は例えば

    $\displaystyle \pi$ $\displaystyle =4\arctan 1$   (マーダヴァ・グレゴリー・ライプニッツ級数)$\displaystyle ,$
    $\displaystyle \pi$ $\displaystyle =6\arctan \frac{1}{\sqrt{3}}$   (シャープの級数)

のように $ \arctan$ を計算することで求められます。

テイラー級数の計算では、 級数の一般項の計算に漸化式を用いるのが便利です。

$\displaystyle \arctan x=\sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{2n-1}x^{2n-1}
=\lim_{n\to\infty}\sum_{j=0}^n \frac{(-1)^{j-1}}{2j-1}x^{2j-1}
$

については、

$\displaystyle a_j=\frac{(-1)^{j-1}}{2j-1}x^{2j-1}
$

そのものの漸化式はあまり計算に便利ではありませんが、

$\displaystyle t_j=(-1)^{j-1}x^{2j-1}
$

とおくと、$ t_j$ は簡単な漸化式

$\displaystyle t_1=x,\quad t_{j}=- x^2 t_{j-1}
$

を用いて計算でき、$ a_j$

$\displaystyle a_j=\frac{t_j}{2j-1}
$

で計算できます。 そこで次のようなプログラムを得られます。
piarctan.bas
rem piarctan.bas --- マーダヴァ・グレゴリー・ライプニッツ級数でπを計算
rem arctan x の級数を第 n 項まで計算
input x
input n
f=-x*x
t=x
s=0
for j=1 to n
 a=t/(2*j-1)
 s=s+a
 t=f*t
next j
print "arctan(x)≒";s
print "その4倍";4*s
print using "πとの差=-%.###^^^^^^";4*s-pi
end

これを用いて $ 4\arctan 1
=4\left(1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\cdots\right)$ という級数を 第 $ n$ 項まで計算すると、 次のような結果が得られます。

$ n$ $ 4 s_n$
$ 10$ $ 3.04183961\cdots$
$ 100$ $ 3.13159290\cdots$
$ 1000$ $ 3.1405926538$

$ \pi=3.14159265358979323846\cdots$ との一致具合いはどうでしょうか? 不思議なことに気付いた人、 もしその理由が分かったら、 レポートを書いて送って下さい。


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Masashi Katsurada
平成20年10月18日