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2.2 まずは簡単な $ e$ の計算

自然対数の底 (Euler の数, Napier の数とも言う) $ e$ の 計算で実践してみましょう。

$ e$ $ e^x=\exp x$$ x=1$ における値なので、

$\displaystyle \exp x=\sum_{n=0}^\infty \frac{x^n}{n!}
$

$ x=1$ を代入して

$\displaystyle e=\sum_{n=0}^\infty \frac{1}{n!}=1+1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3!}+\cdots.
$

これを例えば 10 項まで足すと

$\displaystyle \sum_{j=1}^{10}\frac{1}{j!}
=
1+1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3!}+\cdots+\frac{1}{10!}
=$$\displaystyle \mbox{\textcolor{red}{$2.7182818$}}$$\displaystyle 011\cdots$   (赤字の位は正しい)

と (実は小数点以下第7位まで正しい) $ e$ の近似値が得られます。

さて、それでこの計算をどう実行するか。 和の計算は前回やりました。
復習: 和 $ \sum_{j=1}^n a_j$ の計算の定跡
s=0
for j=1 to n
    s=s+($ a_j$ を計算する式)
next j

これを参考に、 一般項 $ a_j=\dfrac{1}{j!}$ が漸化式

$\displaystyle a_0=1,\quad a_j=\dfrac{a_{j-1}}{j}
$

で与えられることを利用すると、 次のコードが得られます。
$ \dsp s_n=\sum_{j=0}^n\frac{1}{j!}$$ n=10$ として計算
  REM 自然対数の底をテイラー級数で計算
  n=10
  REM a0, s0
  LET a=1
  LET s=a
  for j=1 to n
    LET a=a/j
    LET s=s+a
  next j
  print s
  end


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Masashi Katsurada
平成20年10月18日