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2.1 画像の電子化

コンピューターのディスプレイは、色 (明暗込み) をつけた点 (ピクセルあるいはドット) の集まりとして構成されている (カラー・ディスプレイ上の 1 ピクセルは、 R, G, B (red, green, blue) に光る 3 つの小さな点で構成されることが多い)。 各ピクセルの色情報を数値化して、それを集めることによって画像情報を デジタル・データとして表現できることになる。

例えば、実習に用いているパソコンのディスプレイ画面は、

ピクセル数は最近のパソコン、 ワークステーションでは大体この程度である (やや高級なもので 1600×1200 程度)。 色数は、1 ピクセルの色を 8 ビットで表わす場合 256 色で、 16 ビットの場合は 65536 色、 24 ビットの場合は約 1600 万色となる4

この素朴な方法で 1 画面分の画像を記録したファイルのサイズはいくらにな るか計算してみよう (すぐ後で実際にそういうファイルを作ってみて確認する)。 すぐに分かることは

画像を記録したファイルはサイズが大きい。

これは動画では特に顕著である。 テレビなどでは、1 秒間に約 30 の画像を次々に映すことで動画を表現している。 パソコンの画像をテレビのように 1 秒間に約 30 回描き換えるとして、 1 時間にどれだけの量のデータが必要となるか? ちょっと考えてみよう5

そこで、

画像の記録にはデータの圧縮が不可欠
になる。デジタル・データの圧縮法は次のように大きく二つに分類できる。
デジタル・データの圧縮法
(1) 可逆な圧縮
オリジナルのデータが完全に復元できる圧縮法
(2) 不可逆な圧縮
オリジナルのデータが完全には復元できない圧縮法 -- うまくやると圧縮後のデータのサイズを非常に小さくすること ができる

文書データやプログラム・データなどは可逆な圧縮をすることになる。 UNIX や Windows の世界で普及しているプログラム gzip, compress, zip, LHa などは可逆な圧縮をする。

画像の場合は、オリジナルと多少違っていても、十分役立つことが多いため、

画像データでは不可逆な圧縮が採用されることが多い。
色々な圧縮法があり、 画像データのフォーマットも多くの種類がある。 静止画像データ・フォーマットの代表的なものの名前をあげると、 JPEG, PNG, TIFF, GIF, … (デジタル・カメラでデファクト・スタンダードになりつつある Exifエグジフ は JPEG をベースに デジタル・カメラ向けの 固有情報などを記録できるようにしたものである。)

画像データは不可逆な圧縮をすることでサイズをかなり小さくできる。

X や OpenWindows が動いている場合に試せる実験
isc-xas06% xdpyinfo (結果は省略)
isc-xas06% xwd > image.xwd →この後マウスの入力待ちになる。
 ウィンドウを選択して左ボタンを
 クリックする。
isc-xas06% ls -l image.xwd ← サイズを見てみる。
(省略) → ルートウィンドウを選択した場合
  全画面が記録されて約 3 MB
isc-xas06% xwud -in image.xwd ← 試しに画面に表示してみよう。
isc-xas06% cat image.xwd | xwdtopnm | pnmtopng > image.png ← PNG というフォーマットに変換
isc-xas06% ls -l image.png ← サイズを見てみる。
-rw-r-r- 1 re00018 re00018 21723 Jun 20 09:27 image.png → かなり小さくなった!
isc-xas06% display image.xwd → 表示してみる。
  終了は、マウス右ボタン, Quit.
isc-xas06% rm image.xwd ← ディスクの無駄使いなので削除

(情報科学センターは pnmtopng を用意していない。

set path=($path ~re00018/syori2-2004/bin)
としてから試してみよう。 あるいは GIF 形式に変換する ppmtogif を試してみよう。)

Windows でウィンドウを画像として保存する方法
Windows で、 \fbox{PrintScreen} (\fbox{PrtScr}) キーをタイプすると 画面全体をクリップボードにコピーできる。 また \fbox{Alt} キーを押しながら \fbox{PrintScreen} キーをタイプすると その時にアクティブなウィンドウをクリップボードにコピーできる。 それを画像を扱えるソフト、 例えば「ペイント」 (スタート→すべてのプログラム→アクセサリ→ペイント) に編集→貼り付けすればOK。 ペイントでは、 ファイルをセーブするときにファイルの種類が選択できる。 無圧縮であるビットマップ形式 (ビット数が選択できる) 以外に JPEG, GIF, TIFF, PNG が用意されている。

Windows で画面関係の情報を調べる方法
マウスカーソルをデスクトップにおいて、 マウスの右ボタンを押し、「プロパティ」を選択し、 「設定」をクリックして選択する。 「画面の解像度」と「画面の色」を見るとよい。


かくして、画像圧縮は必要不可欠なもので、 盛んに利用されているものだが、

画像圧縮技術は特許などがからんで「取り扱い注意」の部分がある。




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Masashi Katsurada
平成20年10月18日