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4.3 二分法 vs. Newton 法

ここで紹介した二つの方法はどちらが優れているだろうか? それぞれの長所・短所をあげて比較してみよう。

二分法
-- $f$ が微分可能でなくとも連続でありさえすれば適用できる。しかし $f$$1$ 変数実数値関数でない場合は適用が難しい (特に実数値であることは ほとんど必要であると言ってよい)。 $f(\alpha)f(\beta)<0$ なる $\alpha$, $\beta$ が見つかっていれば、確実に解が求まるが、収束はあまり速くない。 $1$ 回の反復で $2$ 進法にして $1$ 桁ずつ精度が改善されていく程度である。
Newton 法
-- 適用するには少なくとも $f$ が微分可能である必要がある。微分可能で あっても $f$ の実際の計算が難しい場合もあるので、そういう場合も適用困 難になる。一方 $f$ は多変数ベクトル値関数でも構わない (それどころか無 限次元の方程式にも使うことが出来る)。適切な初期値を探すことは、場合に よってはかなり難しい。求める解が重解でない場合には、十分真の解に近い初 期値から出発すれば 2 次の収束となり(合っている桁数が反復が一段進むごと に 2 倍になる)、非常に速い。

総合的に見て「まずは Newton 法を使うことを考えよ、それが困難ならば 二分法も考えてみよ。」というところでしょうか。



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Masashi Katsurada
平成20年10月18日