- (i)
- フリーソフトである。それは特に珍しくないと感じる人がいるかもしれないが、
この業界で現在メジャーな INTLAB は有料である
(そのせいで気軽に試せないし、人にも勧めにくい) ので、とてもありがたい。
- (ii)
- 区間の下限・上限を表すのに、
double 型だけでなく、dd型 (double-double, つまりは一種の4倍精度の型)
も利用可能である。
さらに GNU MPFR を使うことも出来る。
(ただし「MPFR の機能を使うのは加減乗除と平方根のみであり、
せっかく MPFR が持っている優秀な数学関数群は一切用いられない。」だそうです。)
- (iii)
- 区間演算は基本的演算だけでなく初等超越関数にも使える。
- (iv)
- 自動微分の機能もある。
- (v)
- 行列、ベクトルは、今でも Boost の ublas を使っている。
- (vi)
- double 以外の型も使えるようにということで、
BLAS などを使った高速化等はない。
簡易版 kv では (ii) がない (機能が少ない -- 要求を満たせば、
シンプルな方が使いやすい、という見方もある) が、(v) と言う短所(?)もない。
普段は簡易版 kv を使い、いざと言うときは kv を使う、
というのが良いかもしれない。
桂田 祐史
2020-09-03