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0.0.0.3 解答

$ n\in\N$ に対して、 $ K_n:=\{(x,y);x^2+y^2\le n^2\}$ とおくと、 $ K_n$$ \R^n$ の Jordan 可測なコンパクト集合で、

$\displaystyle K_1\subset K_2\subset \cdots,\quad \bigcup_{n=1}^\infty K_n=\R^2.
$

また $ \R^n$ の任意のコンパクト集合 $ K$ に対して、十分大きな $ n$ を取ると、 $ K\subset K_n$ となる ($ \because$ $ K$ はコンパクトだから有界なので)。 ゆえに $ \{K_n\}_{n\in\N}$$ \R^2$ のコンパクト近似列である。

被積分関数 $ f(x,y):=e^{-x^2-y^2}$$ \R^2$ で連続であり、 $ f>0$ であるから、1つの近似列 $ \{K_n\}$ だけで調べれば十分で、

$\displaystyle \dint_{\R^2}e^{-x^2-y^2}\;\DxDy
=\lim_{n\to\infty}\dint_{K_n}e^{-x^2-y^2}\;\Dx.
$

$ x=r\cos\theta$, $ y=r\sin\theta$ ($ r\ge 0$, $ \theta\in[0,2\pi]$) とす るとき、$ K_n$ に対応するのは $ D_n:=\{(r,\theta); 0\le r\le n, \theta\in
[0,2\pi]\}$. $ \DxDy=r\;\D r \D\theta$ であるから、

    $\displaystyle \dint_{K_n}e^{-x^2-y^2}\;\DxDy$ $\displaystyle =\dint_{D_n}e^{-r^2}\cdot r\;\D r \D\theta =\int_0^n\left(\int_0^{2\pi}r e^{-r^2}\;\D\theta\right)\D r =2\pi\int_0^nr e^{-r^2}\;\D r$
      $\displaystyle =2\pi\left[-\frac{1}{2}e^{-r^2}\right]_0^n =-\pi\left(e^{-n^2}-e^{0}\right)=\pi\left(1-e^{-n^2}\right).$

ゆえに

$\displaystyle \dint_{\R^2}e^{-x^2-y^2}\;\DxDy
=\lim_{n\to\infty}\pi(1-e^{-n^2})=\pi.\qed
$


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Masashi Katsurada
平成19年11月29日